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産業・一般東京海上日動火災保険とNTTデータは1日、外航貨物海上保険の保険金請求へのブロックチェーン技術適用に向けた実証実験を完了した、と発表した。
実験では、事故報告書や貨物の損傷写真、インボイス（商業送り状）などの実際の保険金の支払い業務で利用したデータをブロックチェーン上に流通させて、欧州、米州、アジアの計8拠点の海外クレーム代理店や鑑定会社へすばやく共有され、保険金の支払いプロセスに利用できるかを検証した。
▲実験イメージ
技術面では、貨物の損傷写真や鑑定結果の報告書などの大容量データを、ブロックチェーン上で円滑に参加者間で共有できることを確認。また、適切なアクセス性能や業務効率性の観点からの検証も行った。
これにより、荷主などの保険者は、保険金請求に必要な書類の用意や、提出にかかる業務の削減・保険金支払いが最大1か月超が1週間程度まで短縮可能になるなどの効果が期待される。
海外で貨物事故が発生した際には、主に事故対応を行う拠点（海外クレーム代理店）が保険金を支払いする際には、紙やPDFファイルなどで存在している事故報告書や貨物の損傷写真、インボイスなどの貿易関連書類・保険証券を収集する必要があり、さらに保険会社へ補償内容をメールなどで確認する必要がある。
また、海外クレーム代理店と鑑定会社との間で、事故の内容に関して情報共有も必要となる。このため、海外クレーム代理店が、世界中に点在する貿易関連書類と最新の保険証券の収集、関係者との情報共有をいかにすばやく・正確に実施できるかが、迅速な保険金支払い手続きを実現する上での課題となっている。
