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郵船、バイオディーゼル燃料でタグボート試験運航

2022年7月27日 (水)

▲船舶用バイオディーゼル燃料の供給を受けて試験運航を始めたタグボート(出所:日本郵船)

環境・CSR日本郵船とグループの新日本海洋社(横浜市西区)は27日、新日本海洋社が運航するタグボートにおいて、伊藤忠エネクスより船舶用バイオディーゼル燃料の供給を受けて試験航行を開始したと発表した。船舶においてバイオディーゼル燃料を100%活用する国内初の事例となる。

バイオ燃料は、再生可能な生物由来の有機性資源(バイオマス)を原料としており、バイオ燃料を燃焼させる際の二酸化炭素排出量は実質ゼロとみなされる。世界の外航海運で船舶から排出される温室効果ガス削減の要請がますます高まるなかで、バイオ燃料は、重油に代わる船舶用燃料の中でも現在すでに利用可能なものとして注目されている。

▲燃料供給の様子(出所:日本郵船)

今回供給されるバイオ燃料は、伊藤忠商事が世界最大級の再生可能資源由来の燃料メーカーNeste OYJ(ネステ・オーイーユィ、フィンランド)グループとの間で国内向け輸入契約を締結している「Neste Renewable Diesel」(ネステ リニューアブル ディーゼル)と呼ばれる再生可能資源由来の燃料100%の製品。製品やサービスに必要な原料の採取から、製品が使用され、廃棄されるまでのすべての工程(ライフサイクル)における環境への影響を評価する「ライフサイクルアセスメント」ベースでの温室効果ガス排出量を、石油由来軽油と比べて90%削減できるのが特徴だ。

Neste Renewable Diesel はいわゆる「ドロップイン」燃料として、エンジンをはじめとする既存のインフラを改造せずに、ガソリンやディーゼル油と同じように使用できる。脱炭素施策に係る導入コストを最小限に抑えるとともに、温室効果ガス排出削減にも大きく貢献できる次世代リニューアブル燃料として、今後の船舶分野での更なる利用拡大が期待される。

日本郵船グループは、バイオ燃料をはじめとする環境に優しい燃料の利用を促進することにより、脱炭素社会の実現に貢献していく。