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トナミ運輸、都市大などと水素トラックの開発計画

2022年8月9日 (火)

環境・CSRトナミ運輸(富山県高岡市)や次世代自動車開発のフラットフィールド(神奈川県厚木市)など5者は、既存のディーゼルトラックをベースにした水素エンジントラックを開発・販売する産学協同プロジェクトを発表した。環境省の事業にも採択されており、2026年度の販売開始を目指す。

走行中にCO2を排出しない水素エンジンは水素を燃料にした内燃機関で、同じ水素を使う燃料電池車(FCV)よりも安価に製造できる。

プロジェクトに参加しているのは、他に東京都市大学、北酸(富山市)、早稲田大学アカデミックソリューション。5者による8日の発表によると、このプロジェクトでは既存のトラックに搭載されているディーゼルエンジンを水素エンジンに改造する。現在、エンジンと車両の開発・改造が進められている。今後、富山県で実証実験を行い、貨物輸送での実用性や環境性、経済性、耐久性を試す。

プロジェクト自体は2021年度にスタートしており、環境省の21年度の「水素内燃機関活用による重量車等脱炭素化実証事業」にも採択されている。

これまで水素エンジンは、ディーゼルエンジンと比べて出力が不足する弱点があったが、ことし6月に既存のディーゼルエンジン並みの出力を得ることに成功した。実用化の手応えが得られたことを機に、今回、5者による正式発表を行ったという。

▲水素エンジン搭載重量車レイアウト(出所:東京都市大学)

今後の課題の一つには積載性能もある。荷台の前部に水素燃料タンクを搭載する計画で、ベース車両の70%以上の積載量を目指している。

エンジン製造や車両の改造は、IHIやENEOSなど複数の企業からも協力を得て現在進められているという。既存のディーゼルエンジントラックを水素エンジントラックに改造するプロジェクトとしては、iLabo(アイラボ、東京都中央区)も進めており、同社の場合はディーゼルエンジンを水素エンジンに交換する手法を採っている。