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貨物自動車運送業のコロナ破たん100件、TSR集計

2022年8月31日 (水)

(イメージ)

調査・データ信用調査会社の東京商工リサーチ(TSR)は8月30日、新型コロナウイルス感染症の影響による企業の経営破たんについて、8月時点の集計を発表した。2020年2月に国内感染が見つかって以降、貨物自動車運送業では100件に達した。

この集計は、20年2月以降のコロナ禍に起因する経営破たんを月次でまとめている。発表によると、8月30日16時時点で、コロナ関連破たん(負債1000万円以上)は全業種累計で3938件となった。内訳は、倒産が3785件、弁護士一任・準備中153件となっている。8月は30日までに170件あり、19か月連続の100件超えを記録した。

業種別では、来店客の減少、休業要請などで打撃を受けた飲食業が最多で累計620件に及ぶ。続いて、工事計画の見直しなどの影響を受けた建設業が445件。貨物自動車運送業は100件だった。貨物自動車運送業の場合、燃料高も重なっての破たんが多いという。

多くの企業で利用されたコロナ関連融資の据え置き期間が終了し、返済開始を迎える時期に差し掛かっている。しかし、コロナ禍以前の水準にまで業績が回復せず、ここにきて資材高や物価高なども重なっており、返済原資を捻出できないケースが増加しているという。同社は「過剰債務に陥った企業の息切れや脱落が件数をさらに押し上げ、コロナ破たんは引き続き増勢をたどる可能性が高まっている」と予想している。