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船の次世代燃料の供給ガイドライン、国交省策定へ

2022年9月8日 (木)

(イメージ)

行政・団体国土交通省は、重油に替わる船舶のゼロエミッション燃料として期待されるアンモニアと水素について、取り扱いの安全を確保するため、船内への供給方法(バンカリング)のガイドラインを作る方針を固めた。いずれも重油に比べて危険性が高いのが難点で、適切な取り扱いに導く方策が求められていた。2023年度にまずアンモニアの供給ガイドラインについて検討を始め、24年度の公表を目指す。

これは海事分野の脱炭素化政策の一環。同省はそのための新規調査費として23年度予算の概算要求に4400万円を盛り込んだ。

同省によると、アンモニアや水素はこれまで船舶の燃料として使用されていなかったため、燃料供給を巡る国際的な安全基準が未整備となっている。化石燃料では起きなかったような、ゼロエミッション燃料特有の事故も懸念され、特に港湾や海上での供給作業の安全確保が重視されている。国際的な安全基準の策定に先立って、燃料供給に携わる関係者が安全性を確認する際のガイドラインが不可欠となっていた。

23年度は、アンモニアの毒性や腐食性などの特徴を踏まえて、燃料供給オペレーションの手順ごとのリスク評価を行う方針だ。シミュレーションも行い、安全に船舶に供給できるかを検証し、さまざまなリスクへの対応策も検討する。24年度は具体的で合理的な燃料供給手順の検討を行い、海運会社など関係者による合意を経てガイドラインを策定し、公表したい考えだ。

さらに、水素についても25年度以降に、同様のガイドラインづくりを検討する。ガイドラインの策定で燃料供給オペレーションが確立すれば、安全確保とともに、標準化によるコスト低減効果も期待できるという。

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