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国交省の23年度予算概算要求6.9兆円、DXを推進

2022年8月25日 (木)

▲国土交通省が入る建物(東京・霞が関)

行政・団体国土交通省は25日、2023年度政府予算への概算要求について発表した。一般会計は22年度当初予算比18%増の6兆9280億円となった。財務省が示したシーリングに対して目一杯の要求水準。岸田政権のデジタル化推進方針に則り、物流を含む広範な所管分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)を進める。自動車の電動化など脱炭素化・GX(グリーントランスフォーメーション)政策や、相次ぐ自然災害を受けた防災・減災・国土強靭化にも手厚い予算を要求する。

概算要求は31日に財務省に提出する。別建ての東日本大震災復興特別会計予算は6%増の401億円、財政投融資は57%増の2兆6153億円を要求する。

一般会計のうち物流関係の主な要求を見ると、まず、DXの推進に57%増の80億円を要求する。「物流の2024年問題」で担い手不足が深刻化する懸念を踏まえ、物流施設のデジタル化・自動化などを進める。造船・海運の国際競争力強化にも37%増の193億円を求め、DX造船所の実現や自動運航船の実用化に向けた環境整備を行う。

次世代モビリティーの普及推進には44%増の7億円。ドローンの有人地帯での目視外飛行や、「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けた環境整備を進める。

GXに関しては、自動車の電動化促進に3.19倍の13億円を要求する。電動車を活用した輸送方法や、電動化に対応した道路インフラの社会実装を検討する。カーボンニュートラルポートの形成など港湾の脱炭素化にも2.01倍の664億円を求める。

効率的な物流ネットワークの早期整備・活用に20%増の4289億円を要求する。ダブル連結トラックによる省人化や、トラック輸送と空港・港湾など物流拠点との接続強化を進める。国際コンテナ戦略港湾の機能強化には28%増の689億円を求める。

防災・減災に関しては、災害時の物流・人流の確保として21%増の5503億円。サプライチェーンの多元化や関係者の連携を通じた災害時の強靭な物流システムを構築する。港湾での緊急物資や支援要員の受け入れ体制も構築する。

通学路などの交通安全対策の推進に19%増の2931億円を要求する。21年6月に千葉県八街市で下校中の小学生の列にトラックが衝突し、5人が死傷した事故を受け、運送事業者の飲酒運転対策を促進する。事業者の取り組みについての詳細な調査や、運転者への指導・監督マニュアルにアルコール依存症関係の記載を拡充する。