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ヤマト、キユーピーEC通販の3温度帯物流受託

2022年9月21日 (水)

▲「Qummy」で取り扱うオリジナル商品(出所:キユーピー)

フードヤマト運輸(東京都中央区)は21日、食品大手キユーピーが新たに始めるEC(電子商取引)通信販売「Qummy」(キユーミー)の物流業務を受託したと発表した。サラダやドレッシングなど温度管理が難しい商品の保管・輸送・配達を、自社の3温度帯物流ネットワークを活用して行い、3PL事業を拡大する。

両社は同日、共同でオンライン記者会見を開き、協業を説明した。それによると、キユーピーは自社初の食品直販サイト「キユーピー」のサービスを、9月28日から関東地方の1都6県で先行して始める。インターネット上に専用サイトを設け、注文者が内容を選んで作るカスタマイズサラダや、サイトオリジナルのドレッシング(冷蔵)とスープ(常温)、惣菜サラダ(冷蔵)などを販売する。冷蔵品は消費期限が短いものが多く、製造から時間をかけず新鮮でおいしい品質を保ったまま消費者に直送する。

ヤマトは、神奈川県愛川町のターミナル一体型物流施設「厚木ロジセンター」を、キユーミーのために使う。キユーピーの工場から冷凍・冷蔵・常温の3温度帯にまたがる商品を受け入れ、施設内で流通加工も行い、クール宅急便で鮮度を保った状態で消費者に宅配する。ヤマトはまた、キユーミーの決済(クレジットカード決済と代引き)と、配送に関するコールセンター機能も担う。

ヤマトは、全国の拠点・輸配送ネットワークを活用した3PL事業を、個人間の宅配と並ぶ経営の柱として強化してきており、キユーピーとの協業もその一環だ。とくに食品各社が悩む冷凍・冷蔵の通販体制づくりに、クール宅急便で培った高度な温度管理技術で応えることで、大手を中心とするサプライチェーン構築需要を獲得していく戦略だ。

▲流通スキーム

キユーピーはこれまでD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー、消費者直接取引)事業を検討してきた。従来の小売向けとは異なる物流体制を、短期間かつ最小の投資で構築する必要が生じ、ヤマトの力を借りることにした。キユーミーは会員制で、3年で10万人の登録を目指し、会員から集めた情報を新商品や新サービスの開発に生かす考えだ。