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メディパル、希少疾病の医薬品宅配を宮崎で実証

2023年1月24日 (火)

メディカル医薬品卸大手のメディパルホールディングス(HD)はこのほど、希少疾病用の医薬品に関し、患者宅への配送に向けた実証実験を宮崎県で開始したと発表した。医薬品の宅配サービスを巡っては、オンライン診療が広がるにつれて、いくつもの事業者が参入しているが、卸大手のメディパルは一般的な処方薬ではなく、温度管理など取り扱いの難易度が高い希少疾病用医薬品の宅配にあえて挑戦することにした。

発表によると、実証実験は、子会社の医薬販売会社アトル(福岡市東区)が九州に持つ医療機関とのネットワークとこれまで培ってきた物流力を活用して始めた。2022年9月13日から、宮崎市の医療機関と希少疾病患者の協力を得て、調剤された医薬品を特殊梱包を使って個宅配送するサービスを検証している。物流拠点から医療機関まではアトル自身が運び、医療機関から患者宅まではアトルの監督の下で九州地方の運送会社が配達を担っている。

▲希少疾病用医薬品の配送フロー(メディパルHD)

新型コロナウイルス感染症への感染リスクを避けるため、オンラインでの診療や服薬指導など在宅での医療提供体制が求められている。メディパルHDによると、希少疾病の医薬品についても、自分で注射できる製品の開発が進むなど、在宅治療を可能にする動きがある。ただ、医薬品の多くが厳格な温度管理を必要とし、投与器具を要する特殊な製剤もある。患者が医薬品を医療機関で受け取って持ち帰るまでの負担や、自宅で投与するまでの取り扱いの負担が大きいことが課題となっている。

そこでメディパルHDは、製造元から医療機関や薬局を経て患者宅まで、適正な温度管理で医薬品を安全・安心に届ける個宅配送スキームの構築を目指すことにした。宮崎で検証を重ね、課題の把握と解決、疾病ごとの潜在ニーズの探求を行う。実証実験で得られたノウハウをもとに医薬品の品質管理や投与管理を向上させ、グループの物流機能を活用して個宅配送の全国体制を整備していく方針だ。

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LOGISTICS TODAY編集部
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