行政・団体NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、川崎市幸区)とエネルギー・重工企業4社が協力して年間数万トン規模の液化水素を海上輸送するプロジェクトに取り組んでいるが、そのための実証事業で液化水素を運び出す出荷地が豪州のビクトリア州ヘイスティングス地区に、受け入れ地が川崎市川崎区の臨海部に決まった。NEDOなどが8日発表した。
このプロジェクトは「大規模水素サプライチェーン構築プロジェクト」と言い、参加企業はNEDOのほか、日本水素エネルギー(東京都港区)、岩谷産業、ENEOS(同千代田区)、川崎重工業。現在、プラントの建設や実証運転に向けた技術調査を行っている。出荷地にヘイスティングス地区を選んだのは、水素源として安価で安定供給が見込め、エネルギーセキュリティーに資すると考えられる褐炭が近くで得られるためだ。受け入れ地の川崎区については、近くの京浜コンビナートで水素需要が見込め、港湾を確保する観点でも適していると判断した。
今後の商用化実証では、川重などが開発を進めている大型液化水素関連機器を使う。また、川重を除く4社のエネルギー技術を結集し、液化水素の供給コストを1立方メートル(0度1気圧)当たり30円に抑える目標の達成を目指す。そして、運んできた水素で発電の実証を行う企業や地元自治体とも連携し、2050年までのカーボンニュートラル実現に向けて商用での液化水素サプライチェーンを構築する。
これに関し、3月3日に西村康稔経済産業相や石塚博昭NEDO理事長、豪政府とビクトリア州の各閣僚らの立ち会いの下、液化水素サプライチェーン構築に関する日豪間の協力覚書が締結された。
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