話題DX化が迫られる運送業界。しかし「アナログをやめよう」「見える化しよう」とシステムを導入したところで実務に即した運用でなければ、慣れるまでに時間がかかり、挫折してしまうケースがある。
配車業務から請求業務、データ分析まで運送会社の収益化をサポートする「IKZO」(イクゾー)シリーズは、限りなく現場の運用に添ってデジタル化を推進できるクラウドサービスだ。物流業界で18年間勤務経験のあるウイングアーク1st(東京都港区)の加藤由貢氏が手がけたサービスだからこそ実現できる。
IKZOシリーズは配車業務を中心とした「IKZO Online」(イクゾーオンライン)と、データ収集ができる「IKZO Analytics」(イクゾーアナリティクス)で構成される。前者の「IKZO Online」は2022年にリリースされた「IKZO Web」の改良を進めたサービスであり、満を持して関西物流展に出展する予定だ。どのように改良されたのか、狙いやサービスの魅力を加藤氏に聞いた。
協力運送会社と業務で繋がるための使いやすさを重視
「2024年問題では、車両が不足し、今までのように手配ができなくなると思っています。それにより、少なくなるトラック資源を有効活用するために、社内の業務効率化を始めながら、荷主や協力運送会社との繋がりをいかに見える化するかが車両手配の鍵になるでしょう」加藤氏は自身の配車経験をもとにこう話す。
従来の「IKZO Web」は社内の見える化に重点を置いたシステムであり、社外と業務上で繋がらないと無駄な作業やFAX、電話が残ってしまうことに課題を感じていたという。
新しくなった「IKZO Online」は、受注・発注依頼、車番連絡、運賃の突き合わせ、請求書発行業務まで、実務の配車を通じてワンストップで繋げられる。それだけでなく、信頼関係のある協力運送会社間で双方に登録すれば、車両依頼の受注・発注をオンライン上で常時共有できるため、電話の必要がなく、FAX送信もいらなくなる。
また、特筆したいのがその視認性の良さだ。導入支援やサポートが充実しているのはもちろんのこと、画面を見れば直感的に操作できる。
「大前提として使ってもらえなければ意味がないため、開発の際には現場の声を何より重視しています。たとえば『かんたん案件登録』のメニューは、電話をしながらでも簡単に入力できる仕様です。『ぱぱっと入力を終わらせて、配車割当を考えたい』との声が多くあったため、入力する項目の順番やプルダウンの選択方式など、誰にでも使える操作性を強く意識しました」(加藤氏)
各ドライバーの月間拘束時間の予定を設定することで、稼働できる残時間を可視化しながら配車割当ができる画面もある。コンプライアンスを守るうえで活用できそうだ。
赤字体質の改善にデータの分析が必須
「IKZO Online」で配車時に入力した情報は自動で「IKZO Analytics」に反映され、データとして蓄積される。車両別収支や取引先分析により、収益向上への業務改善に役立つ。デジタコデータやコストデータをCSVで取り込めば、ドライバーごとの実績・改善基準告示の管理も可能だ。
向かい風を受ける運送業界としては、赤字経営を招くどんぶり勘定は避けたい。そのうえますます厳しくなるコンプライアンスにも気を張らなくてはならない。現状把握と分析、改善が今まで以上に重要となる中で、意識せずともデータを取得できる機能は有用だ。
事業規模を考慮したリーズナブルな料金
利用料金は自社の車両保有台数20台まで月額2万円、以降1台ごとに月額1000円が加算される。例えば、自社車両を30台保有(マスタ登録)、外注配車が一日あたり100台の場合は月額3万円の利用料となり、比較的リーズナブルな価格といえる。
「IKZOシリーズには荷主・自社・協力運送会社の双方向で業務効率化をしようという狙いがあります。そのため事業規模に見合った料金設定としました。自社内の業務効率化を進めると同時に、みんなで繋がって情報を可視化するためにご利用いただきたいです」と加藤氏は意気込んだ。
関西物流展ウイングアーク1stのブースにて無償トライアル受付
「IKZO Online」は1ヶ月の無償トライアルを受付中。車両情報を登録して、利用すれば導入後もそのままデータを引き継げる。関西物流展ではIKZOシリーズのほかにも、インボイス制度と電子帳簿保存法に対応した文書管理ソリューション「invoiceAgent」(インボイスエージェント)の説明も受けられる。IKZOシリーズとあわせて利用すれば、法改正に気を取られることなく、月末月初の繁忙も改善できるだろう。
関西物流展は検討段階でも気軽にサービスに触れられる。ぜひ一度操作して、その利便性を実感してみてほしい。
会場:インテックス大阪(大阪市住之江区南港北1-5-102)4号館と6号館A・B
ブース:4号館「C3-36」
来場方法:公式ウェブサイトでの「来場者事前登録」が必要(無料)