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関通が売上1.5倍へ中計、新規事業に注力

2023年4月14日 (金)

財務・人事関通は14日、2024年2月期から3か年の中期経営計画を公表した。「EC(電子商取引)市場規模の増加率を上回る成長」を目指し、最終年の26年2月期の連結売上高目標を、現状の1.5倍となる160億9100万円に設定した。スパイスコード(東京都中央区)と資本業務提携して次世代汎用注文管理システム(OMS)を開発するなど、既存の物流サービス事業とITオートメーション事業の成長を加速させる新規事業に注力する。

物流サービスの新規事業では、ことし3月にエーアイテイーと業務提携を結んだことにより、輸出入から国内物流まで一気通貫の国際物流サービスを開始。また、冷凍冷蔵の共同配送網の構築を目指し、埼玉県の冷凍冷蔵物流センターを起点に、パートナー企業との提携を推進して徐々に拡大していく方針を示した。ほかには、食品やアパレルなどのロスの解消策として、倉庫発信の物販を行う「お買得倉庫」を事業化する。

▲エーアイテイーと連携した国際物流サービスのイメージ(クリックで拡大、出所:関通)

ITオートメーションの新規事業では、飲食業支援のプラットフォーム「ロカルメ・オーダー」を提供するスパイスコードとの資本業務提携を同日に発表。受注処理を完全自動化する次世代型汎用OMS(注文管理システム)の開発に着手する。そのほか、物流センター管理者の課題や入居企業の物流課題の解決を支援する「ウェアハウスプラットフォーム」、物流ロボット・自動化機器の販売や人的オペレーションをパッケージ化したサービス「ロボットギャング」、toBとtoC向けのコンタクト業務を請け負う「コンタクトセンター」の事業化を推進する。

物流センターの計画では、メーカーと小売の物流拠点を統合する「アグリベース」を拡大することで、顧客のコスト削減やリードタイム短縮を推進する。また、全国的に安定した供給網の構築を目指し、沖縄にディストリビューションセンター(DC)を開設する。

▲物流センター「アグリベース」の機能イメージ

同社が14日発表した23年2月期通期連結決算は、売上高が104億9300万円(前年同期単体決算比3.9%増)、営業利益が3億9200万円(同46.2%減)、純利益が6億2800万円(35.4%増)だった。同社は今期から連結業績を作成している。

物流サービス事業では、主力のEC(電子商取引)・通販物流支援サービスが堅調に推移。一方で既存顧客における売上高が前年同期を下回ったが、今期中に新設した物流センター3施設を中心に、SEO対策などインターネットを通じた新規顧客の獲得策を講じ、本社ショールームを通じた顧客の理解の深化により、成約率向上に努めた。部門売上は前期比2.8%増の98億3700万円と増収だったが、部門利益は新設物流センターの空床期間の長期化などで69.2%減の1億8900万円にとどまった。

ITオートメーション事業では、WMS(倉庫管理システム)の新規顧客獲得が堅調。資本業務提携を結んだキヤノンITソリューションズと共同で新規案件獲得への取り組みも推進した。セグメント別売上高は26.1%増の5億4600万円で、営業利益も61.1%増と増収増益となった。

24年2月期の通期連結業績予想は、売上高が前期比12%増の117億5600万円、営業利益が70.8%増の6億6900万円、純利益は38.3%減の3億8700万円を見込む。

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