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ニチレイロジGが23年度施策、西の輸配送機能強化

2023年5月17日 (水)

ロジスティクスニチレイロジグループ本社はこのほど発表した2022年事業報告で、23年度における国内外の重点施策を発表した。

▲事業報告会の様子(出所:ニチレイ)

広域幹線輸送においては、22年度に稼働した厚木ゲートウェイ(GW)で首都圏から中部・関西・九州など西方エリア向け貨物を一元化することによる運行時間の削減と、パレタイズ化による作業時間の削減効果を確認。また厚木GWから輸配送先までの中継地点となる東海エリアの拠点を活用した日帰り運行も可能としている。23年度はこれを関西発の首都圏など東方向け貨物にも適用するべく、関西GWの稼働を開始する。

また、東名阪エリアでの「SULS」(サルス)稼働拡充のためトレーラー台数を増強する。サルスはニチレイロジグループ独自の輸配送システムで、拠点間輸送で荷台の切り離しが可能なトレーラーを活用、荷役作業を拠点で行うことで乗務員の作業時間短縮に寄与する。中継拠点に荷積みした自社トレーラーを用意し、車両到着後に次の目的地への運行に移れるため輸送能力を拡大させる仕組みだ。システム増強のため、関東と関西の中継地点となる名古屋、浜松(静岡県)拠点のトレーラーを現状の19台から34台に引き上げる。

業務革新の施策として、現在50拠点にトラック予約システムの導入が進んでいるところ、完全予約制が導入されている30拠点では、予約車両6割の待機時間を30分以内に削減するとしている。庫内作業では、冷凍食品を扱う17拠点にタブレットでの出荷検品機能の導入を目指す。また、事務業務におけるリモート環境下でのRPA化体制の構築を図る。

倉庫作業の自動化・省力化については、冷凍冷蔵環境下でのAGV(無人搬送車)や水平搬送ラックが実用化されたことで、今後はデパレタイズシステムや冷凍冷蔵自動フォークリフトなどとの複合的な機器連動による全体最適効果の実現を図る。遠隔管理のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、拠点間での事務業務の平準化や遠隔操作による現場オペレーションなどを計画する。

海外事業における方針にも言及。欧州事業の収益性向上に向けては、ポーランド・ワルシャワ周辺に新しい物流倉庫を建設する計画を掲げた。新倉庫はワルシャワ市街地から北東30キロのノヴィドゥブル市に立地し、子会社のフリゴロジスティクスが運営。この拠点は同じく子会社のアルミールロジスティカの2拠点、フリゴの1拠点と連携できる位置にあり、2社の輸配送ネットワークを活用したシナジー効果の創出を図る。新倉庫は24年下期に稼働を予定する。

ASEAN(東南アジア諸国連合)で3か国目の進出となるベトナムでは、ホーチミン中心地から20キロの位置に冷蔵倉庫の新設を予定する。ニチレイロジGはベトナムの経済成長が著しく、ホーチミンエリアで人口増加が継続していることに着目。従来から農林水産物を中心とした輸出は活発で、今後は生活水準向上に伴う内需拡大により、低温物流市場の成長が見込めると判断した。

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LOGISTICS TODAY編集部
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