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川崎汽船など5社、次世代海上風車開発で協力

2023年5月30日 (火)

環境・CSR電源開発(Jパワー)、東京電力ホールディングス、中部電力、川崎汽船、アルバトロス・テクノロジー(東京都中央区)の5社は30日、「次世代(浮遊軸型)風車の海上小型実証研究」に関する共同研究契約を締結したことを発表した。

(イメージ)

日本政府は2050年カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーを最大限導入する方針を打ち出しており、特に、洋上風力発電は、大量導入やコスト低減が可能であるとともに経済波及効果が期待されることから、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札と考えられている。遠浅海域の少ない日本においては、深い海域でも導入余地が大きい浮体式洋上風力発電への期待が高まっているが、その普及にあたっては技術開発を通じたコストの大幅低減が必須となり、また、製造における国産化率を高めることで、国内での高い経済波及効果が期待できる。

そのような背景を受け、今回の実証研究では、低コスト化や国産化率向上が期待できる次世代の風車として、浮遊軸型風車の小型実験機を5社共同で製作し、国内実海域への設置で、解析・設計手法の妥当性を確認のうえ、更なる大型機の海上実証プロジェクトに繋げていく。

浮遊軸型風車は、「回転する」円筒浮体で垂直軸型風車を支えるコンセプト。海水を風車の軸受とする単純構造であり、傾斜しても性能が低下しにくい特性から、最大出力時に20度傾く事を許容するため、浮体を小型化でき、設備費用を大幅に削減できるほか、主要機器が海面近くに設置されるため、保守・運転維持費でもコストダウン出来る。また、風車部分は、カーボン複合材料の連続引抜き成形により日本国内で低コストで製造できるとともに、風車部分の原材料である炭素繊維のシェアは日系企業が8割を占めるなど、国産化率向上にも貢献できるという。

▲浮体式垂直軸型風車のウインドファームのイメージ(出所:アルバトロス・テクノロジー)

今回の共同研究に取り組む5社は、浮体式洋上風力発電のゲームチェンジャーとして期待されるこの浮遊軸型風車の開発を、それぞれが保有する知見を活かして共同で取組むことにより、洋上風力発電の主電源化を目指し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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