行政・団体政府は2日、物流革新に関する関係閣僚会議を開き、「商慣行の見直し」「物流の効率化」「荷主・消費者の行動変容」の3点で構成された政策パッケージを発表した。当面は、トラック輸送の契約内容の見直しに関する「標準運送約款」「標準的な運賃」の改正などに取りかかる。中長期的な取り組みを想定した枠組みを、次期通常国会での法制化を含めて整備していく。
荷主企業・物流事業者の双方で非効率な商習慣を見直しを行う。例えば、食品のサプライチェーンにおいて製造日から賞味期限までの3分の1以内の期間で小売店舗に納品する、いわゆる「3分の1ルール」など物流事業者に配慮しない納品期限の見直しや、物流コストを含んだ取引価格の見直しなどを行う。
荷待ち・荷役時間の削減、多重下請構造の是正に向けては規制的措置を取り入れる。それに伴い、荷主・元請企業の監視機能を強化する側面からトラックGメン(仮称)を採用する。トラックドライバーの賃金水準向上については、適正運賃の収受、価格転嫁の円滑化などへの取り組み、標準的な運賃制度の拡充を行う。
物流効率化への施策としては、鉄道や内航海運の増強によるモーダルシフト、物流施設や港湾の脱炭素化などのGX(グリーントランスフォーメーション)、自動運転やドローン、AIターミナルなどのDX(デジタルトランスフォーメーション)を軸に、ソフト、ハード面での効率化を推進。また、パレットやコンテナなどを規格統一化し、標準化を進めていく。
そのほか、自動化設備への投資の拡大、道路や港湾など拠点の機能強化や物流ネットワークの形成支援、高速道路のトラック速度制限の引き上げ、労働生産性向上につながる高速道路料金の策定、地域物流における共同輸配送の促進、貨物集配中の車両の駐車規制の見直し、ダブル連結トラックの導入促進――などを図る。
また、荷主の経営者層の意識、行動の変革を促すため、規制的措置の導入し、物流に関わる広報活動を推進する。荷主や物流事業者の物流改善を評価、公表する仕組みを創設する。また、消費者の意識、行動の変革も促すことで、再配達率を半減させることにつなげる。
2024年度に想定される施策効果として、荷待ち・荷役時間は現状3時間かかるところ、3割の事業者が2時間に改善される見通しを示した。積載率は38%から、2割が50%に向上するとした。再配達率は12%から6%に削減に半減するとしている。なお、30年度の施策効果について、ことし中に中長期計画としてまとめる方針。
同日には、物流の適正化や生産性向上に向けて発荷主、着荷主、物流会社がそれぞれ取り組むべき事項を提示するガイドラインを、国土交通、経済産業、農林水産の3省がまとめた。22年9月からことし5月まで開催された「持続可能な物流の実現に向けた検討会」で議論された話題を中心に策定されている。
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