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物流適地・神奈川を席巻する、大和ハウス最新施設

2023年8月10日 (木)

話題大和ハウス工業は神奈川県内において、5月末時点で合計24棟、総延床面積130万平方メートルにおよぶ物流施設の開発を手掛けており、マルチ、BTSを合わせた同社物流拠点で県内地図を塗り潰さんばかりの勢いである。所在地自体が巨大な消費圏であり、首都圏までを物流網に収めたEC適地であることはもちろんだが、幹線道路整備などにより進化する広域配送での機能性や利便性では、同じ県内でも施設それぞれの特色があり、テナントにとっては各施設ごとの利点を生かした物流網をきめ細かく構築することが可能な陣容を整える。

今回、特集記事の中でも紹介した平塚エリアの大型施設に加え、DPL小田原など開発を進めている物件情報についても、各担当者から話を聞き、神奈川県の新しいDPLブランドの施設について、それぞれの魅力を探った。

地域最大級、ダブルランプウェイの機動力誇るDPL平塚

DPL平塚が立地するのは、平塚市最北部の「ツインシティ大神地区」開発地域。東京都市部から40キロ圏内と巨大消費地へのアクセスに優れるとともに、東名高速道路「厚木インターチェンジ(IC)」まで3キロ、新東名道路「南厚木IC」までは1.3キロにあり、中部エリアへ向けての物流拠点として格好の立地を誇り、他のデベロッパーも施設を集積させている。

▲DPL平塚外観

同施設を担当する東京本店建築事業部第三営業部営業第一課の堀有里佳氏は「DPL平塚は、ツインシティ最大の物流施設です。周辺エリアで見ても希少なダブルランプウェイを備えた大型施設となっており、アクセス利便性に加えて高い機動力がセールスポイントです」と語る。

総延床面積12万1317平方メートルの4階建て施設は、エリアを南北に縦断する国道129号線沿いに建つ。ダブルランプウェイから、中車路をはさんで東西に配置された各階バースに接車できるためエリア屈指の高い機動力で、近隣消費地や中部、関西エリアへの配送に対応する。

▲DPL平塚の施設内に設置されているラウンジ

施設内にはカフェテリア、貸し会議室を設置し、無人コンビニも開設予定。保育施設用のスペースも確保するなど、安心して働ける環境を整えて就労環境にも配慮している。

市の環境と共生する都市づくりとしての取り組みと足並みを揃え、太陽光発電パネルの搭載、倉庫部分ではZEB Ready認証を取得。また、神奈川県と「災害発生時における物資の保管等に関する協定」を締結しており、災害発生時には、物資拠点として施設内のスペースを提供するなど、非常時の防災拠点としての施設活用にも対応する。建物自体も免震構造を採用し、非常時用の蓄電池装備などBCP対応もぬかりない。

▲東京本店建築事業部第三営業部営業第一課の堀有里佳氏

地域との共生においては、地域自慢の「富士山ビュー」が損なわれないように、敷地内に富士山が望める遊歩道を設置。地域との連絡協議会にも参加し、清掃ボランティアや、地域のお祭りへの参加についても検討・調整を続けるという。

DPL平塚は、その優れた立地と施設性能から、すでに大手EC事業者や大手飲料系企業の物流拠点として稼働している。「ホームページの専用サイトでは、VRで施設を内覧いただけます。まだ入居スペースはご用意できるので、興味のある方はぜひご活用ください」(堀氏)

関東地方最西端の玄関口・DPL小田原

24年6月の竣工を目指すDPL小田原は、総延床面積2万4845平方メートルの2階建てボックス型施設で、立地面において平塚の施設とはまた別の強みを持つ。小田原市は、東京中心部までは車で1時間程度と、首都圏への配送利便性が高いのはもちろん、東名高速道路や小田原厚木道路、西湘バイパス、国道1号線などの幹線道路網が充実したエリア。

▲DPL小田原の完成イメージ

なかでもDPL小田原は東名高速道路「大井松田IC」から4.5キロ、小田原厚木道路「小田原東IC」から3キロと、各幹線道路へのアクセスに優れ、中部エリアや関西への配送にも強みを発揮する。

小田原の施設を担当する神奈川西支店建築営業所の所長・水川賢一氏は「中部、関西エリアへのアクセス利便性が高いという意味で、関東地方最西端の入り口と位置づけています」と語り、2024年問題への対策として注目される「中継輸送」拠点としての物流網構築など、一歩先を見据えた計画の中核となりうる立地となる。

同施設は、大和ハウスが「鬼柳(おにやなぎ)・桑原(くわはら)地区工業団地」内の一部に取得した6万5000平方メートルの用地を、「D-Project Industry小田原」として企業の物流施設や工場などを新規開発している地域にあたり、同工業団地内で最大面積を誇る2万4000平方メートルの区画に建設されている。

▲神奈川西支店建築営業所営業課の高瀬翔氏

水川氏と同じく施設を担当する同営業所営業課の高瀬翔氏は「市には老朽化した既存施設が残っている程度で、最新の物流施設はほとんどない状況。首都圏の西の玄関口として開拓の先陣を切る施設となります」と、県内陸部に集積する施設とは、また別の魅力をアピールする。

「小田原市自体20万人近くの人口に加え、隣接する開成町の人口も増加傾向にあり、人材確保の面でも優位性がある」(水川氏)として、地域の雇用促進や経済活性化も担う。また、DPL平塚同様、災害発生時には、物資拠点となるなど、経済面での貢献だけではなく、地域の安全・安心確保にも貢献する拠点となることで、関東最西端のDPL小田原を認知させていくという。

地域との共生というテーマで開発計画が動き始めた寒川

寒川では「(仮称)寒川町田端西地区土地区画整理事業」として計画自体が動き始めたところだ。開発エリアは圏央道「寒川南IC」にほぼ隣接し、新湘南バイパス「茅ヶ崎中央IC」へも2.5キロほどでアクセスできる物流適地。

▲東京本店建築事業部第二営業部営業二課の井上玖良氏

担当の東京本店建築事業部第二営業部営業二課の井上玖良氏は「2025年に予定されている圏央道と湾岸道の開通により東名道と京浜湾岸地区を接続する中間地点にあり、相模川の東側に位置する本物件は関東全域をカバーする物流拠点として優れた立地であると思います。また、寒川南IC至近エリア一帯の開発エリアの中でも最大級の事業用地として開発を予定しています」と他との違いを語る。

まだまだ区画整理事業中の状況で、施設の詳細はこれからとのことだが、地域との共生というテーマで開発を行う予定だという。

「雇用や経済活性化などで寒川町に貢献するとともに、近隣の住民の方にも親しんでいただけるようなオープンな施設づくりを追求していく予定です」(井上氏)としており、どんな形で地球に優しく、強靭なまちづくりを地域といっしょに完成させていくのか期待は広がる。

「DPL平塚」施設概要
所在地:神奈川県平塚市大神380-1
敷地面積:5万4246平方メートル(1万6409坪)
延床面積:12万1317平方メートル(3万6698坪)
構造:PCaPC造(免震)
階層:4層
交通:新東名高速道路「厚木南インターチェンジ(IC)」1.3キロ、東名高速道路「厚木IC」3キロ、小田急小田原線「本厚木駅」からバスで20分、「大神」停留所から徒歩15分
竣工:2022年8月
詳細・問合せ:https://www.daiwahouse.co.jp/business/multitenant/hiratsuka/
「DPL小田原」施設概要
所在地:神奈川県小田原市鬼柳147-1他
敷地面積:2万4809平方メートル(7505坪)
延床面積:2万4846平方メートル(7516坪)
構造:鉄骨造
階層:2層
交通:東名高速道路「大井松田IC」4.5キロ、小田原厚木道路「小田原東IC」3キロ
竣工:2024年6月
詳細・問合せ:https://www.daiwahouse.co.jp/business/multitenant/odawara/
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