ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

大型特殊車両で鋼材無人搬送を実証、JFEスチール

2023年8月4日 (金)

荷主鉄鋼メーカーのJFEスチール(東京都千代田区)は1日、グループ会社のJFE物流(同)、川崎重工グループで建設機器メーカーのNICHIJO(札幌市手稲区)とともに、自動位置認識センサーなどを搭載したキャリアパレット車による鋼材自動搬送の基本機能を開発し、JFEスチール西日本製鉄所・倉敷地区(岡山県倉敷市)構内で実証実験を開始したと発表した。

開発した自動搬送機能は、衛星測位システム(GNSS)の衛星情報と、光照射で距離測定するLiDAR(ライダー)技術による車両の位置認識を行うことで、予め設定したルートを自動で無人走行するというもの。すでに直進、右左折、停止の基本的な車両動作に加え、キャリアパレット車のパレットの下に潜り込むようにして積載する特性を生かしたパレットの積載・搬送の連続自動動作の技術開発が完了しており、ことし1月から構内ルートの一部で実証実験を行っている。

▲キャリアパレット車とパレット(出所:JFEスチール)

JFEスチールは2018年からキャリアパレット車による鋼材搬送の自動化技術の研究開発を推進。キャリアパレット車が積載するパレットには薄板コイルなどの鋼材を多数積載することが可能で、車両の可搬重量は一般的なトレーラーの20トン程度に対し160トンであることから、工場内の搬送を大幅に効率化させることが可能だ。

自動化においては大型特殊車両ならではの課題もあり、一般的なトレーラーよりも広い車幅の車両をパレットの下に潜り込ませる際に、脚部との10センチ程度の隙間に安全に自走させる必要があった。また、100トンを超える重量の貨物を積載するためにタイヤ外周の変化が生じやすく、移動距離の計算に誤差が出やすいなどの課題があったが、位置認識の精度を高度化させたことで、走行と積載をスムーズにした。

今後はことし9月から走行速度を引き上げるなど段階的に性能を向上させ、年度内の実験完了を見込む。自動搬送車両が運行するルートの周辺環境の安全装置の運用設計も行うなど環境整備も図り、ルートの拡大を計画する。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com