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三菱重工、米国にターボチャージャーの生産拠点

2012年12月10日 (月)

荷主三菱重工業は10日、米国インディアナ州にターボチャージャー(過給器)の生産拠点を設立すると発表した。

米国では燃費規制導入などにより、北米市場で今後増大が見込めるターボチャージャー需要に対応するもので、2014年秋から量産を開始する。

新工場は、北米でエンジン・ターボチャージャーの販売を行う子会社三菱エンジンノースアメリカ社(MENA)の工場として新設。三菱重工の北米事業の総合力を活用するため、冷熱事業の北米子会社がインディアナ州フランクリン市に持つカーエアコン生産工場敷地内に、ターボチャージャーの生産ラインを新設するシェアドファクトリー(複数製品生産工場)方式を採用する。

今回設置する3本の最終組み立てラインには、世界同一品質を確保するため欧州、中国の工場と共通の自動化ラインを導入。部品の管理には2次元バーコード付きのタグを用いて、トレサビリティーチェックを強化する。

年間生産能力は60万台からスタートし、将来的には120万台以上へと段階的に引き上げを計画している。カートリッジと呼ばれるコア部品を、タイの100%出資子会社などで生産し、米国工場ではカートリッジにハウジングなどを取り付け最終製品に組み立てる。

ガソリンエンジン車が多い北米市場ではこれまで、ターボチャージャーに対する需要が少なかったが、CAFE(企業平均燃費)規制などの燃費規制強化を背景に、小型ガソリンエンジン車を中心として、燃費改善に貢献するターボチャージャー搭載エンジンへのニーズが高まっている。このため、北米での現地生産により、品質・コスト面の競争力を高めながら納期短縮にも取り組んでいく。

今回のターボチャージャー米国工場の新設により、自動車に対する需要が大きい欧州、アジアを合わせた3極でターボチャージャーの最終組み立て体制を構築。2016年度に販売1000万台達成、世界シェア30%獲得に向け顧客密着の営業・供給に力を注ぐ。