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三菱重工、ターボチャージャーの生産能力増強

2013年8月7日 (水)

荷主三菱重工業は6日、ターボチャージャーの年間生産能力1000万台体制の構築に向け、生産能力を増強すると発表した。

第一弾として、タイなどの海外生産拠点に総額110億円の投資を行い、2015年までに年間生産能力を現状の580万台から890万台まで引き上げる。

燃費規制強化の広がりを背景とした、ターボチャージャー需要の世界的急増に対応する狙いで、1000万台体制の構築に向け、新たな投資も計画している。これらの取り組みにより、同社は「早期に乗用車用ターボチャージャーの世界トップシェアを目指す」としている。

世界最高効率を達成する「新コンセプトターボチャージャー」や、ガソリンエンジンのダウンサイジングに対応した「電動式の二段過給システム」(電動2ステージターボチャージャー)などの次世代ターボチャージャーを開発し、新たな市場を開拓する。

このため、欧州の生産拠点を日本に次ぐ第二の開発拠点に位置付け、顧客への開発サポートを充実させる。製造面では、日本を中心とする生産拠点の設備自動化を進め、日・米・欧・アジア4極のフレキシブルな生産融通体制を実現し、コスト競争力の強化を図る。

完成品の最終組立をそれぞれのマーケットに近い拠点で行い、顧客密着型のサポート体制を構築することで、短納期化につなげる。

タイ生産拠点の三菱ターボチャージャーアジア社には、110億円の大部分を占める設備投資を行い、カートリッジ生産体制を強化。具体的には、部品加工ラインやカートリッジ組立ラインを大幅に増設し、カートリッジの年間生産能力を15年までに現状の2.5倍強に増強する。生産したカートリッジは欧州や中国などの同社最終組立拠点に供給する。

また、タイに拠点を構える自動車・トラックメーカー向け完成品の需要も増大していることから、最終組立ラインも大きく増設し、15年の生産能力を現状の2倍に引き上げる。

中国の生産・販売拠点「上海菱重増圧器」は、同社と上海ディーゼル、住友商事の3社合弁会社となっているが、同社が住友商事から株式の一部を購入し、6月に連結子会社化を完了。今後、増資を行い、組立ラインを段階的に増強していく考え。これにより、年間生産能力を15年までに現状の3倍に増強し、16年には4倍に拡大する。

米国では、エンジン・ターボチャージャーの販売を行う同社全額出資子会社「三菱エンジンノースアメリカ社」の新工場として、インディアナ州にターボチャージャー生産拠点を新設する。

14年秋に量産を開始し、発足時60万台規模の年間生産能力を確保する。その後、自動車の北米大手や日系、欧州メーカーの北米拠点をターゲットに段階的に増強し、16年をメドに年間生産能力を2倍に引き上げる。