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シノプスと伊藤忠、食品バリューチェーン最適化

2023年12月8日 (金)

フード需要予測型自動発注サービスを開発、販売しているソフトウエアメーカー、シノプス(大阪市北区)は8日、伊藤忠商事と共同で、小売業や卸売業、製造業をつなげることで、食品バリューチェーンを最適化するプラットフォーム「DeCM-PF」(ディーシーエムプラットフォーム)の機能の一つである「特売リードタイム長期化サービス」の提供を始めた、と発表した。AI(人工知能)を活用して特売品の需要予測を行うことで、在庫調整業務などの負担軽減が期待できるという。

両社は、食品ロス削減や物流の効率化といった食品バリューチェーンの最適化を実現するため、2022年1月に業務提携を締結した。

シノプスは、1980年代から需要予測や自動発注の分野に着目し、販売実績や在庫情報、天気予報といったさまざまなデータからAIが最適な発注数を算出する需要予測サービス「sinopsシリーズ」を開発、提供している。このシリーズは、食品スーパーマーケットを中心に小売業108社(2023年10月時点)に導入されているという。

こうしたシノプスの小売業のノウハウと、伊藤忠商事の豊富なネットワークを生かして、小売業の需要予測データを卸売業や製造業につなげることでバリューチェーンの最適化を目指すプラットフォームの構築に取り組んでいる。

製造業や卸売業では、小売業や消費者が欲しい商品数を正確に把握することが難しく、見込みで生産、在庫計画を立てているのが現状だ。そのため、余分な在庫が発生したり、効率の悪い物流が生じてしまっているという。ディーシーエムプラットフォームは、小売業の実績や計画に基づいてAIが算出した需要予測データを、卸売業や製造業に連携することで、食品流通の課題を解決し、バリューチェーンの最適化を目指したシステムだ。

▲「DeCM-PF」の機能イメージ(クリックで拡大、出所:シノプス)

提供を始めた、ディーシーエムプラットフォームの機能の一つである「特売リードタイム長期化サービス」は、食品スーパーマーケットで販売する特売商品について納品リードタイムを延長化させるサービス。AIが特売品の需要予測を14日先まで行うことで、従来は数日前に確定した小売業かあら卸売業への発注を、14日前に確定する。特売時の追加発注は、物流センターの在庫スペース圧迫や通常時よりも多くの車両やドライバーを手配する必要があり、調整が難しいとされる。サービスの活用で、リードタイムを延長することで、在庫調整業務の負担軽減などが期待できる。

こうしたサービスの実証実験をすでに行っている複数の小売業に対し、24年中の正式展開を目指すという。今後は特売品だけでなく、定番品でのサービス展開なども検討を進めている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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