認証・表彰需要予測型自動発注サービスを展開するシノプス(大阪市北区)は3日、日本物流団体連合会主催の第25回物流環境大賞で、ウオロク(新潟市)、ロジスティクス・ネットワーク(ロジネット、東京都千代田区)と共に特別賞を受賞したと発表した。需要予測データを活用して、物流センターへの発注を1日前倒し、積載効率や作業生産性の向上でCO2排出量を削減した。

▲左から日本物流団体連合会会長の真貝康一氏、ロジネット 取締役専務執行役員の槙原徹氏、 ウオロク業務改革部次長の八百板悟氏、シノプス取締役の武谷 克裕氏(出所:シノプス)
同社は小売業のウオロクに需要予測型自動発注サービス「sinops(シノプス)」を提供しており、需要予測データを活用することで、ロジネットが運営するウオロク・物流センターへの発注を1日前倒しする「納品リードタイムの延長」を実現した。
取り組み前は、一番早いケースで発注から納品まで4- 7時間と、納品までのリードタイムが非常に短く設定され、配送回転の低下を招き、ピッキングなどのセンター側の作業負荷も高くなっていた。さらに納品時間を優先するあまり、物量が少ない状態でも配送を行っていたため、トラックの積載率は60-80%程度にとどまっていた。
今回の取り組みで納品リードタイムを延長することによって、作業時間に余裕が生まれ、センターの作業が安定化しただけではなく、配送乗務員の手待ち時間やトラック積載率を考慮したスケジュールの構築が可能になった。その結果、積載効率や作業生産性の向上や、配送車両や待機時間の削減にもつながり、CO2排出量の削減を実現した。推計で年間およそ500台の配送車両を削減できる見込みだとしている。
また、納品リードタイムを延長することで懸念されていた「店舗の欠品率の上昇」についても「売場の見た目には大きな影響はない」と店舗から一定の評価を得ている。
同社が提供するシノプスは、流通業向けの需要予測型自動発注サービス。販売実績や販売価格、天候などのデータをAIが分析し、需要を予測したうえで自動的に発注する。これまで経験や勘に頼ることの多かった発注業務の精度を高めることで、在庫の適正化を図る。