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倒産発生予測で運輸業は7位、アラームボックス調査

2023年12月21日 (木)

調査・データAI(人工知能)与信管理サービスを提供するアラームボックス(東京都新宿区)は20日、2022年12月1日からことし11月30日までの間に収集された1万3496社、24万4689件のネット情報などを分析し、1年以内に倒産の危険性が高い「要警戒企業」を特定、倒産危険度の高い上位10業種の予測をまとめた。道路貨物運送業、水運業、航空運輸業、倉庫業を含む運輸業は7位だった。

調査によると、対象となった運輸業286社のうち、4.2%の12社が要警戒企業に当たると予測している。燃料費や人件費の高騰などの理由から中小規模事業者では価格転嫁が難しく、運送業では給与未払い、倉庫業では家賃滞納など、資金繰りの悪化を示唆する情報があるとしている。24年4月1日に運送業にも働き方改革関連法が施行されることにより、ドライバーの年間時間外労働時間が制限され、人手不足リスクが高まることも懸念材料となる。

全体的には、円安や人件費の上昇により、生産コストが増加した業種が倒産に関連した情報が多く見られた。1位の農業では、飼料の輸入依存や円安による燃料費の上昇が影響し、アパレル業界では生産拠点の海外依存が円安の影響を受けた。工事業や運輸業では、人件費の高騰や人材不足による外注費の増加が収益を圧迫している。

また今回の調査では、顧客との金銭トラブルや経営者の不祥事が話題になったのちに倒産に至っているケースが散見されており、コンプライアンス違反による信用低下が与える影響が大きくなっていると分析している。

「標準的運賃」「標準運送約款」の見直しは、運送業苦境のブレーキとなるか

先日発表された道路貨物運送業の1月〜11月の倒産件数に関するデータでは前年同期比31.6%増と急増中。それでも業界別で見ると倒産危険度は7位と、どの業界でもコスト増と人材不足に直面していることがわかる。

運送事業でも燃料費の高騰などによる物価高倒産や人手不足倒産が続く可能性は高く、先日公表された「標準的な運賃」「標準運送約款」の改訂取りまとめなどを基盤とした取り組みも急がれる。トラックを日常的に使用する業者にとっては、経営状況を理由にしない、さらなる安全運転への取り組みとコンプライアンス順守が求められることになろう。

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LOGISTICS TODAY編集部
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