ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

倒産発生予測で、道路貨物運送業のリスク高まる

2024年6月26日 (水)

ロジスティクスAI(人工知能)を使ったクラウド与信管理サービスを運営するアラームボックス(東京都新宿区)は26日、過去1年間のネット情報などをもとに予測した「倒産危険度の高い上位10業種」を公表した。「2024年問題」に直面する運輸業や工事業で人材不足や利益減少から倒産のリスクが高まっているほか、円安による資材や原材料の輸入コスト増加で、連続赤字を計上する企業が増えているとしている。

同社は2023年6月1日からことし5月31日の期間に収集した1万4058社、22万3571件のネット情報などを分析し、1年以内に倒産する危険性がある「警戒企業」を抽出。業種別にランキング形式で公表した。

(クリックで拡大、出所:アラームボックス)

ランキングによると、宅配便やトラック運送などの道路貨物運送業は53社に1社が倒産する危険性があり倒産危険度は2位だった。タクシー、バスなどの道路旅客運送業も77社に1社が倒産する可能性があるとして10位となった。1位は、大工、とび、内装、塗装などの職別工事業で、48社に1社が倒産する危険性があるとされた。

2位とされた道路貨物運送業は、コロナ禍で需要が減少した引っ越し会社や食品の運送会社で資金繰りの悪化による倒産や支払い遅延に関する情報が増えている。なかには労働基準法違反で行政処分を受け、貨物車両の使用停止となったため、一時的に受注量が減少する企業も見られた。

ことし4月からは働き方改革関連法の適用で、ドライバーの年間時間外労働時間の上限が960時間に制限されたため、ドライバーなどの人手不足によって受注が減少したり、外注費が増加したりする傾向が見られ、燃料費の高騰もあり、倒産リスクが昨年以上に大きく高まっている。

10位の道路旅客運送業でも、働き方改革によるドライバーの不足や燃料費高騰による運行コストの増加が課題となっている。コロナ禍で外出が制限されたことで経営状況が悪化し、苦境が続く企業も多く、今後どのように改善していくかが注目される。

全体的に見ても、要警戒企業の数が増加しており、倒産危険度が全体的に高まっている。特に、円安による輸入資材・原材料の高騰や、2024年問題による人手不足の影響を受けて採算性が悪化しやすい業種でのリスクの高まりが目立つ。また、コロナ禍対策の政府支援で抑えられていた倒産件数が増加傾向にあるため、今後も幅広い業種で倒産リスクは高まっていくと、同社は注意を促している。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com