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24年のスタートに、それぞれの課題持ち寄り解決目指すスマート物流EXPO

本音・悩み・肉声…すべてが展示会の重要要素だ

2024年1月19日 (金)

イベント24日から26日にかけて「第3回スマート物流EXPO 物流DX/ロボット/カーボンニュートラル展」が、江東区の東京ビッグサイトにて開催される。

ついにやってきた2024年における物流対策の現在地を確認する「最初のイベント」としても位置付けられ、この展示会をきっかけに改めて波乱の一年を歩き出す決意を固める、そんな関係者も多いのではないだろうか。

「スマート物流EXPO」を主催し事務局を務めるRX Japanは、同イベントをはじめさまざまなジャンルの展示会、国際産業見本市、イベント運営を手掛ける。物流業界のみならず、各種産業や製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)、IoT(モノのインターネット)、データ活用などの最新技術を紹介するイベントを年間100本近く開催し、各業界ごとの課題解決をサポートしている。

▲(左から)RX Japan第三事業本部国内企画営業担当の大内周氏、第三事業本部長の早田匡希氏

スマート物流EXPOがスタートしたのは、22年1月、まさに24年問題が社会的にも認知され、業界課題が浮き彫りになったことが、開催のきっかけになったという。同社の執行役員であり第三事業本部長の早田匡希氏は、「課題あるところに、新しいビジネスのチャンスがあり、その課題解決に向けて業界を活性化することが、私たちのミッションだと考えています」と、イベント開催のきっかけを語る。

人手不足、働き方の改革など、物流業界特有の属人化した業界構造に課題を見出し、その立ち上げから物流危機対応を宿命としていたとも言えるイベントだけに、24年最初となる多数のソリューション提案、ロボットやAI(人工知能)など、出展される最新技術の動向にも注目が集まる。

24年問題、環境対策で急拡大するスマート物流EXPOへの関心

▲2023年開催時の様子

「24年問題への関心の高まりはひしひしと感じています。2年前のイベント立ち上げ当初から出展希望、来場登録も格段に増え、業界全体の意識の高まりは数字にも表れています」と語るのは、第三事業本部で国内企画営業担当の大内周氏。「2年前のイベント立ち上げ時には参加出展企業50数社、145コマでの開催でしたが、今年は100社を超える参加企業による280コマを準備しており、ほぼ2倍近い急成長となっています」(大内氏)と言う。来場登録者数も昨年同期比で230%を記録し、昨年の総来場者数7万4200人を大きく上回る8万5000人の来場を想定している。

同イベントの目玉はもちろん、「スマート物流」実現に役立つ最新技術を、見て、聞いて、触って体験できる出展ブースの数々である。「24年問題の対応としての最新の効率化ソリューションはもちろん、先端性や専門性を重視した展示にこだわっています。また、カーボンニュートラル(CN)など環境対策をテーマにした商材も着実に増加していることを感じます。物流危機への対応と並行して、環境対策への取り組みも本格的に着手しなくてはという課題感を持って、そのヒントを求めて来場する関係者も多いのではないでしょうか」(早田氏)

物流DXを進める最新技術や新製品の紹介のほか、「GX・カーボンニュートラル特集」としての出展も充実しており、同時開催の「グリーンファクトリーEXPO」と合わせて多角的に環境対策に取り組むヒントが提供される。「CNに向けてどこから取り組んだら良いのかわからないといった方々にも、きっかけ作りになるのではと考えています」(大内氏)

▲大内氏

また、会期中に開催される多彩なカンファレンスからの情報収集、情報のアップデートもおすすめだ。NIPPON EXPRESSホールディングスとローランド・ベルガーによる物流DXに関するセミナーや、ヤマト運輸によるグリーン物流の取り組み、オリンパスと花王などの物流センターの最適化事例など、大手企業の先進的事例も興味深いが、福岡運輸(福岡市博多区)と柳川合同(福岡県柳川市)による中小企業のための運輸DX事例の紹介など、「大企業でなくても実現可能なDXの取り組み、まさに物流危機の最前線にいる運輸事業者の皆さまにとって有効なカンファレンスも準備しており、それぞれの事業課題に合わせた情報収集ができるのではないかと思います」(大内氏)

イベント運営の専門家ならではのノウハウで提供する「共創の場」

RX Japanでは、出展事業者に向けて、より効果的なアピール方法など展示におけるアドバイスなどについてもきめ細やかにサポートしている。「課題解決のヒントを求めてやって来る皆さんに向けて、こんな課題がありませんか?こんな相談承ります、といった入り口の用意の仕方や、キャッチコピーの付け方などまで、来場者目線でのヒントを役立ててもらえることを大切にしています」(早田氏)。物流業界の専門家としてではなく、イベント・展示会における豊富なノウハウ、来場者アンケートなどを基盤にしたニーズ分析を生かして、出展者と来場者双方にとって成果を上げることができる効果的で実用性のあるイベント運営というコンセプトが、他の物流展示会とは一味違うポイントとなっているのではないだろうか。

▲早田氏

コロナ禍を経て、展示会においても現場での会話や雑談を重視する傾向が顕著だという。課題を持って集まった人々が何らかの具体的なヒントを持ち帰れるような展示会として、物流業界の共創・商談の場を提供することが、このイベントにとっての大きな目標と言えよう。

「まずは、会場に足を運んでもらうこと自体が重要です。会場で交わされる会話のなかで、商談だけではなく、同業者ならではの悩みや、そうはいっても環境対策なんてどこから手をつければ良いのかといったことまで、直接話すことでしか分かり合えない本音をざっくばらんに共有できることが、展示会の魅力ではないでしょうか。そういう意味でも、会場に来て、気になったソリューションには積極的に声をかけてみること、カタログ上のスペックだけではわからない本音や、悩みについて直接対話できるチャンスを生かしてもらえればと思います」(早田氏)

既成概念を捨ててフラットに会場を巡る「イベント攻略法」

第3回となる今回は来場者の増加も想定されており、東京ビッグサイトという大会場での効率的な周り方にも一工夫が必要となりそうだ。最後に早田氏に、おすすめの会場の周り方をアドバイスしてもらった。

「まずは、それぞれの課題感に基づいて、お目当てのブースを予め決めて声をかけてもらうことが第一です。ただ、お目当てのブースを一通り見終わったら、今度は予定を決めず、ゆっくりと会場を巡って、色んな声に耳を傾けてみるのはいかがでしょうか。会場で耳にする会話の中に、自分だけでは想定していなかった課題解決のアイデアや、ヒントが転がっているかもしれません。知らなかったスタートアップや、別ジャンルからのアプローチなど、既成概念を持たずにフラットに会場を回ることが、思わぬ課題解決、新しい仲間作りにつながると考えています」

第3回スマート物流EXPO 物流DX/ロボット/カーボンニュートラル展

会期:2024年1月24日〜26日、10時〜17時
場所:東京ビッグサイト西ホール
※入場には事前登録が必要
https://www.smart-logistic.jp/tokyo/ja-jp.html

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