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国際物流展閉幕、対面式の重要性示す機会に

2021年10月15日 (金)

話題物流業界における最新の製品やシステムを紹介する「国際物流総合展2021 第2回 INNOVATION EXPO」が15日、3日間の会期を終えて閉幕した。最終日となるこの日は、会場となった東京ビッグサイト(東京都江東区)に6818人が詰めかけ、3日間合計の来場者数は1万7841人だった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念されたが、連日多くの来場者が詰めかけ、物流課題に対応する先進技術や斬新なサービスへの関心の高さをうかがわせた。今回の展示会について、日本ロジスティクスシステム協会(JILS)の松井拓・JILS総合研究所マネジャーに、3日間の会期を総括してもらった。

――今回のINNOVATION EXPOで実感したことは。
松井氏 新型コロナウイルス感染拡大によって、物流業界でこれまで見えていなかった課題が一気に顕在化した。こうした状況下で、物流事業者が課題解決を図る手段として、先進的な取り組みを進める出展企業に接触する機会を求める機運を感じ取ることができた。

――コロナ禍での開催に不安はあったか。
松井氏 緊急事態宣言が明けてから参加の申し込みが急激に増えた。そういう意味では運がよかった。コロナ対策は企業ごとに警戒の度合いも違うので仕方ない部分もあるが、交流の場を求める企業のニーズには応えられる結果になった。

――展示会で見えた潮流は。
松井氏 今回の展示会を見渡しても物流DX(デジタルトランスフォーメーション)が潮流となっているのは明らかだ。そのテーマに沿って、明確な課題感をもって出展者と来場者が対面する機会となったのではないか。

――やはり対面式の展示会ならではの意義はあったか。
松井氏 物流DXの実現には現場だけでなく、経営企画など、ほかの部署も巻き込んで一元的に取り組む必要がある。ロボットの実機は見たことがあるけれども、それをどう使ったらいいのか、実用化に向けた話はなかなかオンラインでは聞けない。その意味で、実際にオフラインで対話することの重要性を示す好機になったと思う。

――今回は海外の物流DX推進企業も出展した。
松井氏 “国際”物流総合展とうたってはいるものの、海外の出展者が少ないのは気にかけていたが、海外のメーカーもかなり増えてきたと感じる。国内外の企業が先進技術を見せ合うことによって、互いに刺激しながら物流の課題解決につなげていくのが本来の姿なのではないか。そのきっかけを今回の展示会で創出できたのであれば、開催者の立場としては非常に有意義だ。