ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

【年頭所感】目標達成困難でも掲げ続ける[郵船ロジ]

2013年1月4日 (金)

話題郵船ロジスティクスの倉本博光社長による年頭所感は次の通り。



2010年10月に日本から始まった郵船航空サービスと日本郵船の物流事業の統合は4月の中国、インドネシア、マレーシアの法人の経営統合で、すべて完了した。これで我が社は世界38の国と地域、440か所以上のネットワーク、1万6000人の従業員を持つ日系物流企業としては世界でも有数の規模を誇る会社となった。

2012年を振り返ると、長引く円高による生産拠点の海外移転、物流コスト削減によるモーダルシフトなど産業構造の変化が重なり、日本発航空貨物は業界全体の物量が前年比10%割れで推移するなど、極めて深刻な状況だった。

このような厳しい環境の中、グループ各極で物量確保に苦戦を強いられ販売目標を下回る結果となったが、それでも我が社はグループ全体で海上貨物の取り扱いが22%増、マイナス成長が続く航空貨物についても1%増となるなど、よく健闘したと思う。

このような経済環境の中、我が社は中期経営計画「GO FORWARD Yusen Logistics」の最終年度を迎える。グループ合計の販売目標「海上輸出100万TEU、航空輸出50万トン、連結売上高4300億円」を2013年度中に達成することは非常に困難と言わざるを得ない状況で、新年度の予算は現実的な目標を設定するつもりだが、この取扱目標は掲げ続ける。この数字は我が社が目指す世界トップクラスのグローバル総合物流企業になるために、近い将来必ず達成しなければならないものだからだ。

そのために、まず、皆には意識改革をお願いしたい。「我々はインターナショナルな物流業者だ」という意識を持ってほしい。それぞれが得意としてきた分野で利益を上げればよいという意識は捨て、航空、海上、ロジスティクス全ての視点でプラスワン営業を展開しなければならない。

航空・海上事業では、引き続き物量拡大とコアキャリアプログラムの深化による仕入値低減への取り組みをお願いする。また、日本発着貨物に依存しないビジネス、具体的には非日系荷主、欧米-アジア間のビジネス、三国間調達物流などへの拡販を推し進めてほしい。

統合でネットワーク、事業内容ともに世界で戦っていける体制は整った。さらに成長国、新興国への「人、物、金」の投資を積極的に行い、顧客のニーズに応える体制を整えていく。加えて、我が社には「サービス・メイド・イン・ジャパン」のきめ細かいサービスを提供するという強みがある。顧客の課題に真摯に耳を傾け、NYKグループのバリューである「誠意・創意・熱意」の心を持って接すれば、顧客は必ず応えてくれるはずだ。

2013年は、これらを有機的に結びつけ、物量の規模拡大とそれに見合う仕入値の低減、適正コストの見究め、グローバルな視点で総合物流営業のできる人材の育成を早期に実現し、それぞれがこれまでに培ってきたノウハウとスキルを共有していくことで、「融合」を深化させていこう。