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倉庫業務管理システム「スマイルボードコネクト」で庫内デジタル化後押し

物流業界地位向上に、現場のDX改革で挑む住友商事

2024年2月19日 (月)

▲物流事業部部総括・デジタルロジスティクスチームリーダーの犬山直輝氏

話題「住友商事のスマイルボードコネクトは、データに基づいた庫内業務管理・効率化を実現する倉庫運営高度化システムです。アナログな倉庫管理から、データを基盤にした計画作成、進捗管理、工程改善へと転換が迫られる物流施設現場のDXを後押しします」と、物流事業部部総括・デジタルロジスティクスチームリーダーの犬山直輝氏は語る。

スマイルボードコネクトのサービスの基盤となるのは物流現場にある作業ログデータを集積すること。集めた作業者ごとの作業実績・スキルデータを作業計画作成に生かし、見直しへとつなげる。また、作業者ごと、工程ごとの作業進捗をリアルタイムで可視化し、多様な施設内作業を一元管理。当日作業の計画と実績は、ダッシュボード上でわかりやすく把握することができるので、進捗状況に応じた人員配置の柔軟な変更も可能となり、管理者の負荷低減と人材の有効活用にも役立つ。

▲ダッシュボード画面イメージ

「なぜログを取ることが重要なのか。まず経営者目線では、作業者ごとの生産性や原価把握など、人材を含めた資産の有効活用が検証できること。また、作業者目線では、個人のスキルやデータを基にした働きやすい職場で作業負荷を軽減することにつながり、働きたい物流現場作りに役立ちます」。ログの集積、管理が進むことで、さらに計画の精度も上がり、生産性も向上する。属人的、アナログ管理の物流業界の現状に甘んじることなく、対応可能な課題から一つずつ取り組んでいくことのスタートとなるのが、まずはログの集積であり、そこからデータドリブンな事業への転換を進める武器となるのがスマイルボードコネクトなのである。

なぜ大手商社が? その答えは物流業界の地位向上への思い

住友商事ではサプライチェーンマネージメント(SCM)領域での事業収益化に向けた取り組みを展開してきた。犬山氏もSCMのコンサルティングを手掛け、系列会社であるベルメゾンロジスコの現場改革を先導する中で、物流現場の最前線に身を置いた経歴を持つ。1日4万件以上に及ぶ通信販売事業者のユーザー向け出荷を担うこの出荷センターで、非効率な物流現場の実情に直面したことが、その改善に向けてのシステム開発のきっかけになったという。

 
▲物流センターにおける活用風景

「Excelでの収支管理やホワイトボード上での作業指示、保存されるだけで活用されない人員ごとの作業実績など、属人性の高い物流の現場を変えるには、アナログ管理からデータを基盤にした管理に転換することが不可欠。私たちの現場でも生産性向上に役立つサービスの導入を検証してきましたが、現場に合うような運用のしやすさ、物流現場特有の複雑さに対応できるシステムがなかったことから、独自に開発したのがスマイルボードコネクトです」(犬山氏)

まずはベルメゾンロジスコの現場課題を洗い出すことから開発、実証を進め、物流現場全体でのDXに貢献するSaaS展開へとターゲットを広げてきた。大手商社がなぜ、倉庫内業務効率化サービスという、一見ニッチなサービス開発に取り組むのかという疑問に、犬山氏は「商社としては、荷主でもあり、サービスプロバイダーでもあり、コンサルでありとさまざまな側面を持っているわけですが、広く多様な立場で各分野をつなぐ目線で必要なサービスを考えること、ただサービスの提供のみならず商社の目線で改革の道筋を示すことができる役割でもあると考えています。実際に自社現場を持ち、そこで機能の実証テストを行える環境も、物流改革に貢献するソリューション開発に役に立ったと考えています」と語る。

出発点としては物流倉庫の現場。だが、そこで顕在化する現場課題こそが、SCM全体への課題となることを商社としての観点で見抜き、まずはログ取得からのデータ活用を広く普及させるDXこそが、物流業界にとって必要な道程と定義する。決してニッチな課題解決ではなく、社会課題の根本解決を進めるソーシャルデザイナーとして、その目標には「物流業界全体の地位向上」を掲げる。

▲データレポート画面イメージ

労働力不足とされながらも、庫内作業者の賃金水準は他産業と比較しても低水準のままである。さらに、電気代高騰が物流コストに与えるインパクトは大きく、荷主・物流現場の各立場から、物流のあり方とコスト見直しの機運は高まる。日々流動的に作業量が変化し、その対応に振り回される物流現場に実際に身を置いた犬山氏は「トラックドライバーと同様、物流業界のステータスの低さが労働環境に反映していると感じます。物流の地位、現場の人々の地位を向上させたい、スマイルボードコネクトには、そんな思いが込められています」と語る。人材が定着せずタイムワーカーなど幅広い働き方の管理など、作業現場はもちろん事務作業も複雑化する。また、作業計画や人員配置など、勘と経験によって左右され、その作業効率やコストが検証できない状況からの脱却は急務だ。「ログの集積は適正な運送料金算出のファクトともなり、データを基にした計画立案や作業指示、改善への入り口です。物流改革と業界の地位向上のためにも現状のアナログ、属人管理の転換から始めなくてはいけないということを、スマイルボードコネクトを通して訴えていきたい」(犬山氏)

量子コンピュータでの最適化など、最新技術が生む人間らしさ

スマイルボードコネクトは、さらにその機能を拡張するサービスとして、AIと量子コンピュータによる最適な人員配置を支援するサービスmagiQanneal(マジカニール)との連携機能をオプションとして用意する。個人別のスキルデータや勤務情報などをもとに、もっとも生産性を高める最適配置を導出することができ、多数のスタッフによるチーム作業が必要な現場では大きな効果が期待できる。業務スキルに加え、作業者の相性でも効率が左右される人員配置は、作成者にとって労力と心理的負担も大きい作業であり、最適人員配置機能でその作業から解放されることは現場管理者の労働環境改善も見込める。

▲人員配置画面イメージ

▲物流インフラ事業本部本部長代理DX推進チームリーダーの植田徹史氏

量子コンピュータを活用した物流の現場効率化について、担当する物流インフラ事業本部本部長代理DX推進チームリーダーの植田徹史氏は、「我々がテクノロジーを活用する目的は、現場を活性化するためであって、人をロボットのように使いたいためではありません」と語る。計算上100点満点の計画を導き出す可能性はあるが、絶対の解として現場に押し付けるのではなく、(コスト的にも)あえて70点レベルの解を出し、人が解を仕上げる余地を残すことで、人とテクノロジーとが協調し、現場に受け入れられる調和の取れた最適解も導出されるとする。「しかも量子技術は現場のルールに基づいて演繹的に解を出すので、現場の方が解の意味を理解しやすく、更に協調が図りやすいという特徴もあるのです」(植田氏)と語り、ここでも最新の技術を、現場の活力向上、働く人の地位向上に生かす同社の思想が表れる。単にコスト削減を目指すのではなく、物流に携わる人々の環境を改善するためにより高度な技術を活用する。スマイルボードコネクトの根底を貫くそのコンセプトこそが、大手商社が開発するソリューションとしての強みとも言える。

犬山氏が作業現場に身を置き、課題と直接向き合いながら開発したスマイルボードコネクトは、物流現場から生まれ、物流業界の全域を変革するポテンシャルを持ったソリューションとして、現在もパイロットユーザーの現場実証を重ねながら、より実用的なサービスとしてブラッシュアップを重ねている。DX化のはじめの一歩を広く促すためには、競合するサービスとの各得意領域を生かした協働など、ユーザーにとってより導入しやすいサービスを協調領域で検討していく可能性も排除しないという。

すべては「物流業界の笑顔・スマイル」のため。データを土台にした現場最適化へ向けて、荷主と物流事業者の垣根を取り払ってつなげ、物流現場で働く人々の社会的地位向上を実現する。持続可能な物流には、スマイルボードコネクトのように人間らしさを大切にしたソリューションの普及が不可欠なのである。

サービス紹介ページ

LOGISTICS TODAYは、作業実績データなどの根拠に基づく物流DXを主題とするオンラインイベント「物流DXを直ちに停止せよ〜24年問題が荷主・物流企業に突きつけるEBDX(エビデンス・ベースドDX)の必要性〜」を2月27日に開催する。

「物流DXを直ちに停止せよ」開催概要
日時:2024年2月27日(火)13時〜14時30分
形式:オンライン(YouTubeライブ)
費用:無料
定員:200人(事前申込)
申込期限:2024年2月26日(月)17時
お申し込み

<申し込みは終了致しました。たくさんのお申し込み、ありがとうございました>