行政・団体国土交通省は21日、アジアと欧州を結ぶ海上輸送の要衝、紅海などでの紛争を巡って20日夜(日本時間)に開かれたG7臨時交通大臣会合について、議論の結果を公表した。日本からは、斉藤鉄夫国交相が出席し、武装勢力の行為を断固非難するとともに、G7の協調を強化していくことを内容とするG7交通大臣宣言を発することで合意したという。
大臣会合は20日21時〜22時(日本時間)にオンラインで開催された。フランスからクリストフ・ルノルマン環境連帯移行省海事局次長、アメリカからピート・ブティジェッジ運輸長官、イギリスからマーク・ハーパー運輸大臣らが出席した。EU(欧州連合)やIMO(国際海事機関)からの参加もあった。
議論では、武装勢力による攻撃を強く非難し、拿捕(だほ)された民間船舶や乗員の解放、船舶に対する攻撃停止を求める内容などがまとまった。
こうした内容を踏まえたG7交通大臣宣言を発出することで合意。宣言では、「商船への攻撃が、世界の海上貿易にとって重要な航路である紅海の航行の自由を著しく妨げており、この地域の安全保障と船舶の安全、危機管理に重大な脅威をもたらすことに留意する」などとした。
また、現状では、多くの船舶が紅海の通過を避け、海運会社は南アフリカの喜望峰周辺を航行する迂回路をとっていることに言及。「迂回航路は、船員や乗組員に負担をかけ、海上輸送の所要時間や費用を増加させ、結果として、世界的なサプライチェーンや製造工程に対する多大な混乱、船舶の遅延、船舶の運航スケジュールへの信頼性の低下、船舶運賃の上昇をもたらすだけでなく、船舶による温室効果ガスの排出を増加させ、気候変動に関する政策に悪影響を及ぼす」と指摘した。
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