調査・データハクオウロボティクス(東京都荒川区)はこのほど、東京ロジファクトリー(東京都立川市)の物流施設で、自動フォークリフト「AutoFork(オートフォーク)」と荷物用エレベーターとの自動連携に関する実証実験を実施した。
今回の実証実験では、「AutoFork」がエレベーターと連携し、エレベーターを呼び出し、パレットをエレベーター内に自動搬送。さらに、エレベーターが別のフロアへ移動後、別フロアの「AutoFork」がエレベーター内のパレットを自動取得できることを実証した。

▲実証実験時の様子(出所:ハクオウロボティクス)
エレベーター連携には、Octa Robotics(オクタ・ロボティクス、東京都文京区)が開発したロボット連携システム「LCI」を採用。LCIは、ロボットと建物設備(エレベーター、自動ドア、セキュリティー)との連携を可能とし、ロボットが建物内を自由に移動できるシステムで、荷物用エレベーターと「AutoFork」との自動連携を実現している。
物流2024年問題の解決策として、自動フォークリフトによる倉庫内の自動化・効率化の実現が求められている中、複数階の物件が多い物流施設では、エレベーターとの連携による縦方向の自動化・効率化も重要視されている。今回の実証技術が実用化されることで、自動フォークリフトによるフロア内の横搬送とエレベーター連携機能による各フロア間の縦方向搬送の自動化・効率化が期待できる。
物流倉庫のエレベーターは荷物の輸送を目的とし、積載量が大きいことが特徴。今回の実証実験では、積載荷重4トンの荷物用エレベーターで実験を行った。エレベータの制御盤にはOcta Robotics製 「LCI Box」が接続されており、同社のクラウドサービス「Octa Link」を介し、4G回線を使って自動フォークリフト「AutoFork」と通信。このシステムを利用し、「AutoFork」は、エレベーターの呼び出し、ドアの開閉状態の確認、荷物の積み降ろし、他階層へのエレベーターの移動を自動で実行する。
重量物を積載してエレベーター内へ進入する際には、エレベーターが倉庫の床面より沈み込む現象が発生し、これによりエレベーターの「かご」自体が揺れるとともに、出入口に段差が生じるが、「AutoFork」は、独自の制御技術により、こうした状況でも安定して搬送作業を行なうことができるとしている。