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ロジザードとギークプラス、連携実績積み重ねて最適化領域を拡大

WMS連携精度上げ、物流ロボット導入領域見直しを

2024年8月8日 (木)

サービス・商品物流業界で圧倒的なシェアを誇るクラウドWMS(倉庫管理システム)「ロジザードZERO」を展開するロジザード(東京都中央区)。

自動化先進国・中国などグローバル市場で培われた開発力で日本のAGV(無人搬送ロボット)、AMR(自律走行搬送ロボット)など物流ロボット市場のトップシェア企業、ギークプラス(渋谷区)。

それぞれ違う領域で物流DXをけん引する両社は、その連携の取り組みも早く、すでにさまざまな現物流場の効率化に貢献してきた。信頼性と評価の高いWMSと物流ロボットによる連携は、ただ個社単独での効率化の限界を飛び越えるだけではなく、ユーザーや導入サイドにとって、よりアプローチしやすく、運用しやすいDX環境を提供するという観点でも、多様な企業の連携が物流効率化で手を組むことの重要性を実証する模範的な事例と言えるだろう。

▲GTP(Goods to Person)ロボット「EVE」

ロジザードZEROとギークプラスのGTP(Goods to Person)ロボット「EVE」との自動連携では、ロボット導入直後から庫内管理システムと連携した標準業務フローでの運用が可能となり、導入準備における機会損失を抑えながら、事業成長のための運用変更へと迅速に舵を取ることができる。また、ユーザーごとの運用に対応したカスタマイズなどでの経験も豊富で、より効果的な現場運用のためのノウハウが成熟していることも、企業間連携の先行事業者ならではの強みと言えるだろう。

ともに各領域のトップ企業だからこその幅広い連携実績、現場構築ノウハウが、提供サービスに新たな価値を創出しているのである。

「ベストパートナー」を見つけ、より広い領域の最適化に取り組む

今回、2社の連携による稼働事例は、レディース人気ブランド「RANDA」などを展開するジェイ・ビーの物流現場での婦人服、衣料、バッグなどのオンライン販売、店舗配送の物流効率化、人手によるピッキング作業や返品の保管棚への再格納効率化を自動化で解決する取り組みである。

ジェイ・ビーの物流現場は、国内61店舗向けのBtoB配送と、BtoC向けの配送が混在し、手作業のピッキング作業に工数がかかることが課題となっていた。また、ピッキングの教育・指示の簡易さから固定ロケーションでの在庫管理を採用していたため、返品戻り商材を固定ロケーションに再び格納するまでにも長い期間を要するなど改善が急務だった。今後の事業成長を見据えて、ピッキングや返品商品格納の効率化、自動化は必須であり、アパレル市場の特性上、外的要因に対応できる柔軟性や拡張性を重視したシステムが求められる状況だった。ジェイ・ビーが、大掛かりな固定式の自動化システムではなく、変化に伴った運用変更も可能な自動化ソリューションとして評価したのが、ギークプラスのピッキングロボットとロジザードZEROの連携であり、その運用実績での信頼の高さが導入を後押ししたことは間違いない。

▲導入後の様子

システムの実装にあたっては、ECメインのユーザーとの実績から確立した標準化された連携フォーマットではなく、出荷の9割がBtoBを占める今回の運用ならではの、多品種少量のECとは異なるシステム設計にも取り組んだという。ピッキング後の後工程を踏まえてWMSからの伝票をどのようにロボットシステムとつなぐのかなど、伝票ごとのピースが多いピッキング工程に最適なシステム構築が綿密に検討され、利用者にとって最適なWMSへの改修を実現した。物流現場ごとのさまざまな課題にも、ユーザーや業態ごとに最適な改修を実現できるノウハウや対応力こそ、連携実績を積んだ両社ならではの運用だと言えるだろう。ロジザードでは今回の連携を「ロボット導入と言えばEC現場の効率化のイメージが強いが、BtoB領域においても高い成果を示すことで、効率化ロボット導入の適性がある現場拡大を検証できる」取り組みとしている。

▲システム構成イメージ(クリックして拡大)

また、大手企業の大規模センターのみではなく、中規模センターの導入においてもロボット導入の効果が見込めることの実証も、今後の連携の大きなテーマとなる。ギークプラスは「中堅企業にとっても業務効率化に向けての設備投資を検討すべき時代となっている」として、それぞれの規模に適した最適な自動化の選択肢を、ロジザードとの連携で明示していく。

自動化ロボットは、ただコンセントにつなげば機能を発揮するものではない。その制御システム、さらに上位の管理システムなどとの連携で最適化し、稼働率を高めることが必要である。ロジザードとギークプラスの連携で、ジェイ・ビーの物流現場の課題であったピッキング効率や、返品の再格納までのリードタイムはどう変化したのか、8月23日に開催される「第2回 物流DX会議」では、その具体的な検証データも紹介される予定である。今後さらに、システム開発の連携拡大、利用者目線で現場課題に対応できるユーザー連携を強化していくことで実現する、より効果的な物流改善のはじめの一歩は、この2社のようなベストパートナー選びこそが重要なのかも知れない。