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セーフィー×アイオイ・システム、マテハン作業場の録画検証もっと簡単に

仕分けミスゼロへ、映像との連携で現場検証効率化

2024年8月22日 (木)

話題さまざまなシステムの連携により、効率化の領域拡大や、精度の向上を目指す「協調領域」拡大の取り組み「物流DX会議」。昨年のシステムベンダー6社での旗揚げから、ことしは参加企業も18社に拡大。物流業界の大きなトレンドとして、各社の取り組みにも注目が集まる。

特に、連携事業の報告で目を引くのは、クラウド録画サービスで業界シェアナンバーワンを誇る、セーフィー(東京都品川区)の積極的な参加である。RaaSとの連携、庫内作業可視化サービスとの連携など、ビデオ映像による現場視録画技術を生かした、データなどだけでは可視化できない領域の見える化での多様なチャレンジに取り組んでいる。

仕分け現場作業の映像検証も迅速に

フジパングループで食のトータル・ロジスティクスを掲げる物流サービス、富士エコー(千葉県市川市)の物流現場の効率化では、アイオイ・システム(アイオイ、同)との連携に取り組んでいる。

富士エコーの現場課題は、種まき、摘み取りの両ピッキングエリアにおける作業状況の検証であった。特に、種まきピッキング・システムとして評価の高いアイオイのDAS(デジタル・アソート・システム)「仕分けの達人」運用現場において、作業者が実際にどう仕分けに取り組んでいるのかを確かめるための連携が、セーフィーとアイオイによる実証事例となった。

▲アイオイ・システムのランプ表示機例

DASには、正しいアイテムを、正しい仕分け口に間違えることなく投入できるよう、ランプ表示器によってわかりやすく指示する機能を持つ。本来、DASの指示に従えば、誤投入のミスなどを防げるはず。それでもミスが発生するとすれば、それは何が原因なのか。作業者のスキルによるものなのか、作業手順にミスを誘発する要因があるのか、作業のやりにくさなどマテハンの設置場所に要因はないかなど、仕分け作業ミスではなくオーダーなど別過程でのミスではないかなど、検証と再発防止に取り組んで、サービス品質を向上させなければならない。

もちろん、DAS運用現場にセーフィーのクラウド録画システムがあれば、作業者のミスの瞬間を映像で確認して検証できる。しかし、作業時間の長い録画映像から、作業ミスの当該箇所を探し出すのは、あまりに業務負荷の大きな作業。時間、手間を要し、デジタルソリューション導入の本来の目的の1つである管理業務の効率化に相反する改善の取り組みとなってしまう。

そこで今回2社は、アイオイのDAS「仕分けの達人」のアプリを改修して、セーフィーのシステムと連携させる試みに取り組む。アプリの作業記録のタイムスタンプを、仕分け作業の記録と紐づけることで、特定の作業時の映像を1クリックでアクセス、確認できるようにする連携の実証である。

検証が簡単になれば、改善も進む、領域も広がる

作業ミスの有無を、動画探しに時間を費やすことなく即時に確認することができ、現場運用のあり方見直しに向けた検証を積極的に推進することが可能となった。作業ミスがあったとすれば何が原因で、どうすれば改善できるのか。また作業ミスがなかった場合にはエビデンスとして活用することもできる。データでわかる作業者ごとの生産性など、動画を基にした現場教育に使用すれば、作業者にとっても納得性のある教材として、それぞれの能力向上に前向きに取り組む環境作りにつなげることもできるだろう。「仕分けの達人」とクラウド録画サービスの連携で、仕分け現場の業務改善を、さまざまな角度からファクトを使って実行する推進力となるのだ。

録画の見たい部分を即座に確認できる連携は、人の作業が介在する多様なマテハン活用現場への応用へと広げることもできるだろう。作業データにおける異常値など、データ記録だけでは読み取れない実態を映像で把握することに簡単に取り組めるようになれば、こうした検証作業に積極的に取り組むこと自体を促すと同時に、指導、教育などにおいても実効性のある施策が期待できる。

「第二回物流DX会議」には、多彩な連携事例、取り組みに積極的な事業者が集まり、セーフィーとアイオイ・システムとの連携事例も共有される。この取り組みを参照とした新たなアイデアの創出もあるのではないだろうか。連携がまた次の連携を生み出す、まさに物流DX会議の目指す協調領域の広がりが期待できる実証事例の詳細発表や提案を、楽しみに待ちたい。