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APTとストラソルアーキテクトが導き出す物流の「最適解」

メーカーレスな取り組みで物流事業者のガイド役に

2024年8月20日 (火)

話題今求められているのは荷主主体の倉庫運営だ。しかし、数多のシステムやマテハン機器が氾濫する今、そのなかから「最適解」を導き出すのは容易なことではない。また倉庫の自動化を急ぐあまり、自社に合わない機器や仕組みを導入してしまうと、かえって業務が停滞してしまうリスクもある。そんな今だからこそ、物流事業者に必要なのは広い視野を持つ「ガイド役」ではないだろうか。

さまざまなマテハン設備の連携をメーカーレスに行うAPT(千葉市美浜区)、自動化に適した物流センターのデザイン、つまり構想策定を手掛けるストラソルアーキテクト(東京都港区)。両社はどちらも倉庫の自動化を図る企業のサポートを得意とする。2社の協働によって導き出される最適解は何なのか。

手段先行は危険、構想策定が物流の「最適解」を導く

APTはメーカーに縛られないマテハン設備の提案を得意とする。国内外からユニークかつ実用性の高いマテハン設備を発掘し、それをテナント向けにカスタマイズした上で提供する。複数メーカーの機器や設備を導入すると煩雑さが増してしまいがちだが、APTにはそれらを統合・制御するノウハウがある。

▲APTの倉庫内ロボットストレージシステム「HIVE」概要(クリックして拡大)

ストラソルアーキテクトの得意分野は、物流施設を構築する際、それを軌道に乗せるための計画を練ることだ。物流センター全体のデザインのほか、設備の設計からシステム導入までの、あらゆる工程を受託する。

▲ストラソルアーキテクトのサービス概要(クリックして拡大)

今回の連携事例で両社は、クライアント企業から既存のマテハン設備の見直しを依頼された。効率化を企図してマテハン設備を導入したものの、シャトルシステムを利用しないと出荷できない状況になっていたという。特定のシステムを利用するしかない運用体制は柔軟性に乏しく、状況の変化に即応できない。また、設備のメンテナンスにかかるコストも、クライアント企業にとって大きな負担になっていた。

そこで両社はシャトルシステムの撤去を提案。さらにラックの入れ替えやDAS(自動仕分けシステム)の導入を進めるなど、現場の状況に合わせた改修を行った。結果として導入コストを従来の半額程度に抑えつつ、ランニングコストも下げることに成功した。

また既存のマテハン設備を生かす形で残し、WMSやWCS(倉庫制御システム)など、庫内物流を制御するシステムの方を変更する提案なども行っている。両社が協働することで、庫内におけるハードに当たるマテハン設備と、ソフトに当たるシステム、その双方に効率的にアプローチすることが可能になる。さらに物流施設の拠点戦略や資産価値の活用など、経営全体に関わるアドバイスを実施することで、物流事業者を全面的に支援する構えだ。

▲連携イメージ(クリックして拡大)

APTとストラソルアーキテクトは、最低限の設備投資で最大の省人化・効率化を目指す。それは両社のメーカーレスな取り組みがあってこそ実現できるものだ。8月23日に行われる「第2回物流DX会議」では、両社のメーカーの垣根を超えた自由な発想に期待したい。