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JR貨物不正で不安拡大、CBが荷主向け緊急窓口

2024年9月11日 (水)

▲11日、特別保安監査のため、JR貨物川崎車両所を訪れた国土交通省職員

行政・団体日本貨物鉄道(JR貨物)が列車の車輪に基準値を超えて圧力をかけていたにもかかわらず、データを改ざんするなどの不正を行っていた問題で、不正の対象となった可能性のある車両が新たに300両判明した。これにより、10日までに判明していた564両(うち4両は機関車)と合わせて最大860両程度で不正が行われていた可能性がある。

同社は11日、すべての貨物列車の運行を停止。今後は不正がなかったことを確認できた車両から段階的に運行を再開する方針だが、再開時期や物流への影響がどの程度広がるのかといった不安は解消されていない。

すでにヤマト運輸が関東と九州・北海道間の荷物の配達で、少なくとも1日以上の遅れが生じるとの見通しを発表。佐川急便も「全国から北海道、東北、関東、北陸、関⻄、九州向け」の宅配で遅れる可能性があるとしたうえで、11日以降に発送する荷物については代替輸送手段への切り替えを検討するなど、宅配各社への影響も出はじめた。

ドライバー不足に直面している物流業界で、多くの事業者がドライバーの「働き方改革」と同時に輸送力の確保に取り組むなか、モーダルシフトの受け皿として期待されるJR貨物で発覚した不正の影響は、荷主や物流企業からの信頼を大きく損なうものであり、これらの企業の取り組みに冷や水を浴びせる行為に等しい。

貨物列車の運転再開にどの程度の時間を要するのか、現時点では見通せず、再開してもモーダルシフトの受け皿として社会の信頼を回復するには、原因の徹底的な調査と再発防止策の実行が欠かせない。

CBクラウドが荷主向け24時間体制の緊急相談窓口を設置

見通しが不透明なこともあって荷主の不安も高まっているが、こうした状況を受けて配送マッチングプラットフォーム事業を手がけるCBcloud(CBクラウド、東京都千代田区)は11日夜、JR貨物の運行停止に伴い「特別対応窓口」を設置すると発表した。

同社の配送プラットフォーム「ピックゴー」に登録されている5万人規模の軽貨物配送パートナーや2000社以上のドライバー網、陸路と航空便も組み合わせた陸空一貫配送メニューなど多様な輸送モードのシステムを提供。相談窓口では「24時間365日、夜間も含めて受け付け、サポートスタッフが有人対応する」(CBクラウド)という。

同社の松本隆一CEOは「人手不足でただでさえ輸送力が不足しがちな物流企業や荷主企業が2024年問題に取り組むなか、困っている荷主企業をなんとかサポートできないかと考え、通常の相談窓口とは別に緊急窓口を設置した」とコメント。まずは現在の窓口スタッフのシフトを工夫して対応するが、12日以降は営業担当者なども動員して「できる限り体制を厚くして対応したい」(同社広報)としている。

■特別相談窓口
https://forms.gle/Fxogvec2kDqa7ZZt7

■緊急相談連絡先
電話050-3183-0213

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