調査・データグローバルインフォメーション(川崎市麻生区)は12日、世界のコールドチェーンロジスティクス市場の動向をまとめた、Bizwit Research & Consultingの市場調査レポート「コールドチェーンロジスティクスの世界市場規模調査:温度別、サービス別、用途別、地域別、2022年~2032年の予測」を発売した。これによると、世界のコールドチェーンロジスティクス市場は2032年まで年平均14.82%で成長するとしている。
レポートによると、同市場は23年に2564億4000万米ドル規模に達したとみられる。今後も32年まで15%近い年間成長率を維持し、順調に規模を拡大していくと予想される。
同市場は、生鮮品の保存のために一定の温度制御環境を維持する輸送・流通プロセスで構成され、医薬品や飲食品、化学品、花きなどの製品の品質を保ちながら、安全に原産地から消費地まで輸送するために必要な冷蔵保管庫や物流サービス、輸送形態が含まれる。特に飲食品分野は、乳製品や食肉、魚介類、果物、野菜などの生鮮品の品質と安全性を維持するために、こうしたサービスに依存している。最近は、製薬セクターでのワクチン、バイオ医薬品、臨床試験材料の需要の急増も、市場の成長を大きく後押ししている。
技術面では、高度な冷蔵や、テレマティクス、リアルタイムモニタリングのためのIoTなどの技術進歩が、市場の拡大の要因となっている。新鮮で高品質な生鮮食品に対する消費者の期待や世界の貿易の拡大も、冷蔵技術や機器の需要を促している。
一方で、特殊な機械や高いエネルギー需要によるコストの増大や、国家・地域間の複雑な規制の枠組みが、市場成長にとっての大きな課題となっている。このため、今後は太陽熱冷却システムのような環境に優しい取り組みや、説明責任を向上させるためのAI(人工知能)やブロックチェーンなどの最先端技術の応用が、ビジネスチャンスにつながると指摘している。
市場を地域別に見ると、アメリカとカナダでは技術とインフラへの大規模な投資によって発展しており、特にアメリカの消費者は高品質の生鮮品を求め、持続可能性とトレーサビリティーを重視している。アジア太平洋地域はオンライン食料品通販の急増と消費者の健康志向の高まりにけん引され、世界で最も急成長している市場となっている。
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