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三菱商事、イラク南部のガス活用事業が稼働

2013年5月2日 (木)

荷主三菱商事は2日、イラク南部の油田随伴ガス回収・有効利用プロジェクトを推進する合弁会社「バスラ・ガス・カンパニー社」(BGC社)が操業を開始したと発表した。

BGC社は、2011年11月にロイヤル・ダッチ・シェル、イラク石油省傘下のサウス・ガス・カンパニー社との間で設立に合意した合弁会社で、事業化調査が完了したことから操業を開始したもの。今後は、BGC社が事業推進体となり、随伴ガス回収・精製事業を行う。

BGC社はイラク南部のルメイラ、ズバイル、ウェストクルナフェーズ1の3油田から随伴で産出されるガスを全量回収・精製・分離し、発電用ガス・液化石油ガス(LPG)・コンデンセートを製造する。

事業化調査と並行して施した初期的な補修により、BGC社のガス処理能力は日量1.5億立方フィート増加し、現在、日量4億立方フィート超となっている。今後、最大取扱数量である日量20億立方フィートのガス処理能力を備えるため、設備投資を進める。

BGC社は、イラク国内でフレアー(燃焼処理)されている膨大な随伴ガスを製品化して同国内に供給することで、同国のエネルギー安定供給、経済発展に寄与する。また、同国内の需要が満たされ、同国政府の承認を取得した段階で、液化石油ガス(LPG)・コンデンセートの輸出、将来的には液化天然ガス(LNG)としての輸出を行う計画。

国際エネルギー機関(IEA)によると、2035年までに見込まれる世界の石油増産分の45%をイラク一国が産出する見通しだが、イラク南部の原油増産を計画通りに実現するためには随伴して生産されるガスの安定した処理が不可欠なため、今回のプロジェクトが果たす役割に期待と注目が集まっている。