調査・データ東京大学は6日、先端科学技術研究センターの江崎貴裕特任講師らの研究グループが、物流などの輸配送ネットワークが複数組み合わされたときの相乗効果が現れる条件を解明したと発表した。この手法を使えば、共同輸送などを行ったときに、そのような相乗効果が得られるのかを分析できる。
研究グループは、どのような条件下で輸送ネットワークを統合すれば輸送効率が向上するのかを明らかにするために、新たな分析手法と数値実験を用いて、ネットワーク構造が相乗効果に与える影響を調査した。その結果、ノード(ネットワークを構成する結節点)の重要度が比較的均一なネットワークでは大きな統合効果が得られる一方、ノードと他の要素の結びつきが強い中心部(コア)と、中心部分との結びつきの弱い「周辺」部分が明確に分かれた「コア・周辺構造」を持つネットワークでは統合効果が小さくなることがわかった。
また、同じ種類のネットワークを統合するよりも、異なる種類のネットワークを統合する方がシステム全体のパフォーマンスが向上することも確認した。例えば、空路と海路など複数の輸送手段を統合することで、輸送効率の向上が期待できる。
さらに、こうした分析に基づき、リンクでつながったノードの「島」が最も大きい「最大連結成分」の成長率を指標にすれば、統合の効果を事前に評価できる可能性もある。
研究グループは今後、実際の交通データを用いたさらなる検証と進め、現実の制約条件を考慮した最適化手法の開発を目指す。
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