行政・団体愛知県トラック協会(愛ト協)は15日、名古屋市内のホテルで「愛知県トラック総合会館」の落成祝賀会を開催した。旧会館が抱えていた老朽化や駐車場不足といった課題を解消するために建設された新会館は、地域物流の拠点としての役割に加え、防災拠点としても期待される。
祝賀会には愛ト協関係者のほか、全国のトラック協会関係者、衆参両院の議員、国土交通省などの行政関係者、地元愛知県の行政や業界関係者ら、総勢200人が参加した。
愛ト協の寺岡洋一会長(全日本トラック協会副会長)は挨拶で、旧会館が抱えていた駐車場不足や老朽化といった課題を振り返った。「旧会館では施設の老朽化により修繕費がかさみ、駐車場の狭さは地域住民にも迷惑をかけていた。この新会館の建設は、多くの関係者の理解と協力がなければ実現できなかった」と語り、関係者への感謝を述べた。
また、新会館の役割について、「この会館は単なる物流の拠点ではない。災害時には防災拠点として機能し、地域と物流業界をつなぐ重要な施設となることを目指している」と説明し、物流業界の課題解決に向けた拠点としての意義を強調。「業界の未来を切り開くため、この新会館を活用していく決意」と力強く語った。寺岡氏は現在全ト協の副会長を務めており、来年6月には全ト協会長への就任が内定している。
続いて、大村秀章愛知県知事が挨拶に立ち、愛知県の製造業生産額が52兆4000億円と過去最高を記録した背景には物流業界の貢献があると述べた。また、新会館が災害時に地域を支える防災拠点としての役割を果たすことへの期待を表明した。
国土交通省の鶴田浩久物流・自動車局長は、トラック業界が直面する「2024年問題」に触れ、「多重下請け構造の是正や荷主との協力関係強化が不可欠だ」と強調。また、トラック業界の透明性向上を目的とする「トラックGメン」の体制が拡充されたことに言及し、「課題解決に向けた取り組みを支えるために、新会館が大いに活用されることを期待している」と語った。
坂本克己全ト協会長は、新会館が防災拠点として物流業界を支える重要な役割を果たすことに期待を寄せた。同氏は、災害発生時に72時間以上の自立運用が可能な設計や備蓄機能が地域と業界を支える大きな力になると述べ、物流が社会基盤の一端を担う存在だと改めて強調した。
式典の後半では、新会館の特徴を紹介する映像が上映された。同施設は、耐震設計や非常用電源の完備、備蓄物資の充実など災害対応に優れた仕様となっており、災害時には72時間以上の自立運用が可能だ。
映像上映後、寺岡会長、大村知事、鶴田局長、坂本会長らが鏡開きを行い、会場は祝賀ムードに包まれた。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com