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雇用調整助成金の不正受給は累計1446件に、TSR調査

2024年11月21日 (木)

調査・データ東京商工リサーチは21日、全国の労働局が10月末までに公表した「雇用調整助成金」などの不正受給件数が、2020年4月から累計で1446件に達したとのレポートを公表した。不正受給総額は463億7025万円にのぼり、中には年商を上回る不正受給額を受け取っていた企業もあった。

同助成金はコロナ禍で経営難に陥った企業を迅速に支援するため、特例措置として手続きを簡素化した。不正受給していた企業については、厚生労働省が助成金の全額返還を求めるほか、悪質な場合は企業名を公表する。悪質性が極めて高く、関係者が逮捕されたケースもある。同社では各都道府県の労働局が公表した企業を集計、分析している。

10月に公表された不正受給は35件で、4月の23件に次いで今年2番目に少なかった。今年1-10月の累計は526件で、前年同期576件を8.6%下回っている。

20年以来の累計件数を都道府県別でみると、愛知県の196件が最も多く、次いで東京都の180件、大阪府166件、神奈川県114件と大都市圏が上位を占めている。

業種別では、飲食業が最も多く155社で、建設業141社、人材派遣や業務請負などの他のサービス業が107社で続いている。運輸業は71社だった。

また、同社が公表された企業の売上高を調査した結果、直近の売上高が判明した482社のうち、年商を超える額を受給していた企業が31社あった。

厚労省によると、各労働局の調査で発覚した不正受給は非公表企業を含めて、今年9月末で3603件、支給の取消金額は815億5000万円になっている。

社名を公表された企業は、取引先や金融機関からの信用低下が避けられないうえ、違約金や延滞金を含めた全額返還を求められるため資金難に陥る可能性があり、今後の経営に及ぼす影響が懸念される。

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LOGISTICS TODAY編集部
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