調査・データ一五不動産情報サービス(東京都大田区)は28日、東京圏と関西圏の物流施設の賃貸マーケットに関する10月の調査結果を公表した。東京では空室率の上昇が4年近く続いているが、上昇スピードに鈍化傾向がみられる。また、大阪圏では需給両面で動きが乏しく、賃料にも大きな変動がみられないなど、落ち着いた動きが続いている。
調査によると、東京圏の10月の空室率は8.6%で、前回調査(7月)の8.4%から0.2ポイント上昇した。2021年1月の0.3%を底に、4年近くにわたり空室率が上昇しているが、上昇のスピードは徐々に鈍化している。来年の新規供給は今年の7割前後となる見通しで、需要も底堅いことから、2025年上半期には空室率の上昇に歯止めがかかりそうだとしている。
8月から10月の新規供給は80万6000平方メートルで、新規需要は66万3000平方メートルだった。新築物件は日鉄興和不動産の「LOGIFRONT横浜鶴見」やシーアールイーの「ロジスクエアふじみ野B」、「ロジスクエア草加II」など計13物件だったが、満室稼働は5物件にとどまった。
今後は、東京建物の「(仮称)TLOGI 白岡」や大和ハウス工業の「DPL久喜宮代II」、オリックス不動産の「三郷Ⅰロジスティクスセンター」、「三郷IIロジスティクスセンター」の着工などが計画されている。
東京圏の募集賃料は1坪当たり4780円で、前回の1坪当たり4820円からわずかに下落。東京圏全体で弱含みの傾向が続いている。
一方、関西圏の10月の空室率は3.6%で、前回の3.1%から0.5ポイント上昇した。来年は過去最大の供給量が見込まれることから、空室率は緩やかに上昇する見通しだとしている。
8月から10月の新規供給は12万1000平方メートルと低水準で、新規需要も6万2000平方メートルと低調だった。新規物件はTC神鋼不動産の「ASLOGI高槻」やESRの「ESR伊丹ディストリビューションセンター」など計4棟で、2棟が満室稼働となった。
今後は、日本GLPの「GLP枚方Ⅳ」や三菱地所の「ロジクロス大阪大正」の着工などが発表されている。
関西圏の募集賃料は1坪当たり4230円で、前回の一坪当たり4180円から50円上昇した。
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