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サンネット事業連合、書換え可能ラベルの実証実験

2013年7月24日 (水)
通い箱はコンベア上を流れ、レーザ消去機、レーザーマーカー機の前を通り、メディアの書き換えが行われる

通い箱はコンベア上を流れ、レーザ消去機、レーザーマーカー機の前を通り、メディアの書き換えが行われる

産業・一般生活協同組合連合会コープ東北サンネット事業連合(サンネット事業連合、仙台市)とリコーは23日、組合員への共同購入・個人宅配に利用する通い箱に送付先や配送用件を印字した紙ラベルを毎回貼りかえる代わりに、1000回書き換えができるメディアを使う「リコーリライタブルレーザーシステム」を導入した実証実験を開始する、と発表した。このシステムの導入で、組合員へのサービスの向上と大幅な環境負荷削減、作業負荷削減を見込む。

サンネット事業連合は東北6県の11の会員生協が加盟する組織で、組合員数は156万人。このうち通い箱を使用する共同購入・個人宅配登録者数は46万人(2012年3月時点)で、実証実験の拠点となるドライセットセンターでは、6県のエリアに向けて1日4万5000個の通い箱が運用されており、この中のひとつのエリア向けに実証実験を行う。

今回の実験結果を踏まえて、サンネット事業連合は本格運用と、適用範囲拡大に向けた準備を開始する。ドライセットセンター規模で全面的にこのシステムを運用すると、ラベルゴミ排出量を年間8トンの減らすことができ、製紙用植林木の伐採を年間125本削減する効果に相当するという。

サンネット事業連合の会員生協では、組合員から注文される食料品や生活用品を週一回、定期的に物流センターからトラックで配送する「共同購入・個人宅配」事業を展開している。

環境保全の観点から、資源の有効活用を目指し、配送には通い箱を使用しており、通い箱は組合員名や配送情報が印字された紙ラベルが配送のたびに新たに貼付され、組合員のもとに届けられていた。

今回、実証実験を開始するシステムは、この通い箱に貼付される紙ラベルの代わりに通い箱に貼ったまま繰り返し書き換えることができるメディアを活用する。

これにより、(1)ラベルの貼り剥し作業や廃棄作業がなくなる(2)剥がし残りや、糊残りが発生しないため通い箱の美観を保つことができる(3)ラベル、シール裏紙など、廃棄するゴミがなくなり、CO2排出量を10分の1に低減する――といったメリットが期待できるという。

使用するリコーリライタブルレーザーシステムは、1000回の書き換えが可能で、非接触で書き換えを行うことができる。半導体レーザーを用いたレーザーマーカー、レーザー消去機、リライタブル記録メディアで構成。

1000回の書き換えが可能なメディア

1000回の書き換えが可能なメディア

これまでのリライタブルシステムと異なり、メディアを対象物に貼り付けたまま印字・消去できるほか、耐光性を屋外環境にも耐えられるレベルまで向上させた。また、独自のフォント方式で文字の交点部などの重複印字を回避し、媒体の劣化を抑えて印字・消去耐久性を引き上げた。

これらの特長により、屋内利用に限られていたリライタブル記録技術を、天候や気温の変化にさらされる屋外用途へ適用できるよにした。

■実証実験の概要
実験拠点名:共同購入ドライセットセンター(東北6県の生協組合員向けにドライ物流を一括して扱う物流拠点)
所在地:宮城県黒川郡富谷町成田9-1-2
実験エリア:宮城県古川エリア(組合員数29400人、共同購入・個人宅配登録者数9000人、通い箱数1500個/日)
期間:2013年7月26日-14年7月
検証項目:対象地域でのシステム運用による環境負荷削減と業務効率化の検証、組合員からのフィードバック(アンケート)
参加企業:コープ東北サンネット事業連合、みやぎ生協、リコー(リライタブルレーザーシステム提供)、ダイフク(コンベア提供)、寺岡精工(システム改造)、三甲(オリコン対応)、加藤産業(稼動運用)