調査・データ帝国データバンク(TDB)は9日、2024年12月の景気動向調査を公表した。景気DIは前月比0.1ポイント増の44.5となり、小幅ながら2か月連続で改善した。年末需要がプラス要因となったが、燃料価格の上昇が下押しするなどわずかな改善にとどまった。
12月は、気温の低下とともに重衣料など冬物商材が好調となったほか、インバウンド需要は好調を維持。建物売買など不動産販売が好調だった。一方で、12月19日からガソリン補助金が段階的に縮小されたことによる燃料価格の上昇は、幅広い業種でコストアップにつながり地域経済を下押しする要因となった。さらに、人手不足の継続や原材料価格の高止まりも悪材料だった。
今後について、同社は個人消費の基盤となる実質賃金が継続的に上昇するかどうかが最大の焦点となると分析した。金利や為替レートの動向のほか、ガソリン補助金の終了後の燃料価格の動向も注目される。
観光産業の伸長や設備投資の拡大などが好材料の一方で、消費者の節約志向の高まりや企業のコスト負担の上昇が悪材料。また米新大統領の経済政策や中東情勢などがリスク要因としてある。総合して今後の景気は横ばい傾向で推移するとみられる。
業種別で「運輸・倉庫」は前月比0.2ポイント減で2か月ぶりに悪化。年末の繁忙期にともない輸送量の増加もみられたが、ガソリン補助金の縮小や原油価格の高止まりなどによる経費増加がマイナス材料だった。また、ドライバー不足や確保のための人件費増加も下押し要因となった。
規模別で「大企業」は改善したが、「中小企業」は横ばい、「小規模企業」は悪化となった。「大企業」は前月比0.4ポイント増で3か月ぶりに改善したものの「運輸・倉庫」においては大きく悪化した。
地域別では北関東、四国など10地域中7地域が悪化、改善は近畿など3地域にとどまった。インバウンド需要が地域経済の追い風だった一方で、資材価格やガソリン価格の上昇によるコストアップは下押し要因となった。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com