調査・データ帝国データバンク(TDB)は5日、2月の景気動向調査を公表した。景気DIは前月比0.1ポイント減の43.5となり、小幅ながら2か月連続で悪化した。コメをはじめ食品の値上がりや寒波の影響を受けて個人消費が低迷し、建設や輸出関連の製造の悪化が目立った。
2月は、品、エネルギー価格の値上げで個人消費が低調だったことに加え、オフシーズンに寒波到来が重なった宿泊業や飲食店が不調だったことにより観光産業の景況感は2年ぶりに全産業を下回った。一方で、コメや鶏卵の価格上昇が農業関連業界のプラス要因となり農業関係の景況感を押し上げた。また、冬物衣料の生産増でアパレル製造の景況感は3か月ぶりに上向いた。
景気DIを業界別に見ると「サービス」「製造」など10業界中6業界が悪化、2か月連続で全業界が50を下回った。低調な個人消費や燃料・原材料価格の上昇、寒波などがマイナス材料となった一方、農産物などの高値推移が関連業界の景況感を押し上げた。
「運輸・倉庫」業界の景気DIは42.5で前月比0.4ポイント減となり、3か月連続で悪化した。ガソリン補助金縮小によるコスト増加のほか、働き方改革による時間外労働時間の上限規制、人件費の負担増、乗務員の人材不足などがマイナス材料となった。加えて車両価格の高騰も下押し要因だった。また旧正月休みの影響で中華圏からの物量が減少しているという見方もある。
規模別では「大企業」「小規模企業」が改善したものの「中小企業」は2か月連続で悪化。「中小企業」は、燃料価格の上昇や寒波による客足の低迷が下押しした。
地域別では「東海」「中国」など4地域が悪化、「北陸」など4地域が改善、「北海道」「南関東」が横ばいだった。今季最長の寒波に関して、企業からは除雪作業や暖房関連の商品などの売り上げが好調といった声が寄せられた一方で、ヒトやモノの流れが停滞し、豪雪地域を中心に生産や消費行動が抑制され厳しいといった声も複数聞かれた。
同社によると今後は実質賃金の増加と個人消費の拡大という好循環が最大のカギとなる。訪日客消費やIT関連の設備投資などが下支えとなる一方で、コスト増加や海外リスクが重荷となり横ばい傾向が続くと見込まれる。
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