調査・データ東京商工リサーチ(TSR)は11日、昨年1年間で休廃業・解散した企業は、6万2695件と、2000年の調査開始後初めて6万件を超えたとするレポートを公表した。これまでの最多は2023年の4万9788件で、増加は3年連続となる。
休廃業・解散した企業を業歴別に見ると、最多は30年以上40年未満の19.7%で、50年以上100年未満も13.0%となった。老舗企業の増加が目立ち始めている。
産業別では10産業すべてで増加しており、最多は飲食業や娯楽業などを含む「サービス業他」の2万111件で前年比23.4%増加した。次いで「建設業」の9387件で同16.7%増だった。
代表者の年齢を見ると、70代が最も多く41.6%を占めた。次いで80代以上が26.2%、60代が19.6%と、60代以上が全体の87.6%を占めている。一方で20代以下は0.1%、30代は0.5%にとどまっている。平均年齢は72.6歳、中央値は74歳だった。
直前期の決算で損益が黒字だった企業は51.5%、赤字は48.5%で、ほぼ半数が赤字だった。コロナ禍をきっかけに、2021年から赤字企業の割合が高まっており、過去最悪の赤字率となった。最近の人件費の上昇や、原材料価格の高騰、金利上昇などを考えると、2025年の黒字率は史上初めて50%を割り込む可能性もある。
経営者の高齢化などで事業承継が緊急の課題となっているが、事業継承できない企業などの退出が本格的に始まったことをうかがわせる調査結果で、同社は「後継者育成が遅れた高齢の代表者は、将来性や生産性向上に向けた投資や新規雇用などに躊躇し、競争力を失う。こうした負のスパイラルが赤字廃業率の上昇につながっている」と分析している。
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