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ヤマト傘下SSTと富士通、共同輸配送マッチング開始

2025年1月27日 (月)

▲Sustainable Shared Transportの事業開始に関する共同記者会見で手を取り合う(左から)ヤマトホールディングスの長尾裕社長、SSTの高野茂幸社長、富士通の時田隆仁社長

ロジスティクスヤマトホールディングス(HD)は27日、昨年5月に設立した荷主企業や物流事業者をつなぐ共同輸配送のオープンプラットフォームを提供する新会社「Sustainable Shared Transport」(SST、東京都中央区)と富士通が、2月1日から共同輸配送システムの運用を開始すると発表した。SSTは同日から新たな物流サービス「SST便」の提供を始める。

新システムは、富士通のデータ基盤「Fujitsu Unified Logistics」を活用し、荷主企業の出荷計画や物流事業者の運行計画をもとに、最適な輸配送計画を立案。混載輸送や中継輸送を駆使し、積載率や稼働率を向上させながら定時運行を達成する。「物流情報標準ガイドライン」に準拠しており、異なる業種・企業間のデータ連携も容易となる。

▲SSTの共同輸配送プラットフォームのイメージ(クリックで拡大、出所:ヤマトホールディングス)

これに加え、富士通のブロックチェーン技術を活用することで、データ管理のリスクを低減。外部からの不正アクセスを防ぎつつ、改ざん検知や復旧機能を備えた安全なプラットフォームを提供する。富士通はサービス稼働に際し、SSTに5000万円を出資するなど、連携をさらに強化する。

SSTはまず、宮城県から福岡県までのエリアで1日16便の幹線輸送を提供し、標準パレットスペース単位での利用を開始。地域の物流事業者との連携により、域内配送サービスも展開する。2026年3月末までに80路線への拡大を目指す。将来的にはフェリーや鉄道輸送などを組み込むマルチモーダル輸送、チルド帯への対応なども検討していくという。

都内で開かれた共同会見では、ヤマトHDの長尾裕社長、富士通の時田隆仁社長、SSTの高野茂幸社長がトークセッションを展開。ローランド・ベルガーパートナーの小野塚征志氏が進行役を務めた。

▲トークセッションではローランド・ベルガーの小野塚征志氏(左)が進行役を務めた

ヤマトHDの長尾社長はSST便について、元々は国家プロジェクトであるSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)で議論されていたことを形にしたものだといい、「物流を標準化をしていく(オープン化)第一歩の取り組みとして社を上げて支援していく」と意気込む。「物流の2024年問題は継続していく問題。時代や状況に応じた取り組みを社として見極め、推進していきたい」

SSTの高野社長は、業界全体への共同輸配送の普及について話が及ぶと「個社としての取り組みだけでは難しい仕組み。標準化されたプラットフォームモデルを提示することで、気軽に共同輸配送に取り組んでもらえるのでは」と語った。また、「幹線輸送と地域物流の分業を進めていくネットワークとして、物流事業者からも良い反応を得ている」と手応えも口にした。

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LOGISTICS TODAY編集部
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