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必読!今日から始まった改正物流二法の要点まとめ

2025年4月1日 (火)

ロジスティクス2024年5月15日に公布した貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律が本日4月1日、施行した。「貨物自動車運送事業法」の改正では、主に3つの変更点を導入した。

「実運送体制管理簿」を作成すべし!

(1)取引の透明化
運送契約締結時に、役務内容や対価等を記載した書面の交付を義務付けた。元請け事業者は実運送事業者の名称などを記載した実運送体制管理簿の作成が必要になる。

本日から荷主はトラック事業者に対し、従来のように電話などによる口頭ではなく、運送契約締結時、運送サービス(附帯業務なども含む)の内容やその対価などについて記載した書面の交付が必要になる。記載内容は運送役務の内容・対価、運送契約に荷役作業・附帯業務などを含む場合、その内容・対価、その他特別に生ずる費用にかかる料金(例:高速道路利用料、燃料サーチャージなど)、契約の当事者の氏名・名称および住所、運賃・料金の支払方法、書面を交付した年月日となる。

(2)委託先への健全化措置
これにより、下請け事業者への発注適正化について努力義務を課す。前年度の利用運送量が100万トン以上の一定規模以上の事業者は、管理規定の作成と責任者の選任を義務付けた。

本日から事業者が下請け事業者を利用する場合、運送に要する費用の概算額を把握し、概算額を勘案して利用を申し込む。荷主が提示する額より概算額の方が多い場合、事業者は当該荷主に対し、運賃・料金について交渉したい旨を申し出る。また、委託先のトラック事業者がさらに下請けを使う際は再々委託など制限を課す。また、運送利用管理規程を作成し、国土交通大臣に届け出る、運送利用管理者を選任し、国土交通大臣に届け出る義務がある。

(3)実運送体制の管理強化
実運送体制管理簿は作成対象が1.5トン以上の貨物。記載するのは実運送事業者の商号・名称、運送区間、貨物内容、請負階層を記載する必要がある。

本日から元請け事業者は、真荷主から引き受けた貨物の運送について下請けを使った場合は、貨物の運送ごとに「実運送体制管理簿」を作成する。引き受けた貨物の全てを自社で実運送する場合は作成不要。真荷主は元請け事業者に対し、実運送体制管理簿の閲覧請求できる。管理簿は、運送を完了した日から1年間の保存が必要。また、管理簿の作成に必要な実運送事業者の情報を把握するために、元請け事業者は運送を委託する際、その運送が管理簿作成の対象である旨を委託先へ伝達しなければならない。

さらに、2026年度からは物流統括管理者(CLO)の選任を義務化する。物流統括管理者は中長期計画や定期報告などの作成のほか、事業運営方針の作成や事業管理体制の整備、事業計画の作成、実施など事業運営上の重要な決定に参画する。さらに、倉庫業者で貨物の保管量が70万トン以上などの特定事業者は中長期計画の提出が始まる。こうした動きにより、物流業界の効率化がさらに進むことに期待がかかる。

「物流効率化法」は物流の24年問題の解決に向け、解決荷主・物流事業者に対し、物流効率化に向けて取り組むべき措置について努力義務を課す。荷待ち時間などの短縮や積載効率の向上等の措置への取り組みを求める。適確な実施のために必要ならば、所管大臣が指導や助言する場合がある。特定事業者の取り組みが著しく不十分な時は、所管大臣による勧告・公表・命令・罰則の対象となる可能性がある。

CLO主導で効率化に向けた中長期計画を作成すべし!

(1)軽トラック事業者への管理者選任、講習受講、事故報告の義務化
軽トラック事業者は、必要な法令などの知識を担保するための管理者選任と講習受講、国交相への事故報告が義務付けられた。

(2)荷待ち時間削減、積載率向上を判断基準化
国が荷主や物流事業者がどのように、これらの目標を達成するかについての具体的な判断基準を策定する。これには、各事業者の取り組み状況に対する指導や助言、調査、公表を含む。

(3)中長期計画策定・定期報告を義務化(26年度から)
荷主:貨物取扱量9万トン以上、運送業者:車両150台以上等などの特定事業者に対し、中長期計画策定・定期報告を義務化した。

(4)物流統括管理者(CLO)の選任義務(26年度から)
物流プロセスを効率化し、商品の輸送だけでなく、保管や在庫管理など、物流全体のプロセスを統括する。さらに、重要な意思決定をする企業の経営幹部として、物流に関する重要な決定に関与し、企業の成長を促すための戦略を策定する。中長期計画の策定し、トラックの積載効率向上やドライバーの荷待ち時間の短縮など、物流の効率化に向けた中長期計画を作成し、主務大臣に提出する義務がある。

効率化を推し進める方策としてまず、積載率の向上がある。余裕あるリードタイムの設定や同一納品先の製品の積み合わせなどが取り組み例にある。荷待ち時間の短縮も大きな課題だ。適正な貨物の受け取り・引き渡し時間を指示、予約システムの導入なども改善に向け必要だ。パレットなどの利用・標準化や、荷積み・荷下ろし施設の改善などが、荷役時間の短縮への努力が求められる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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