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保線や点検の安全対策不備、JR北海道に改善指示

2025年4月1日 (火)

行政・団体国土交通省 北海道運輸局は3月31日、北海道旅客鉄道(JR北海道)に対し、保線作業や点検などの際、見張りを置かなかったり十分な安全確認を行わなかったりするなど不適切な行動が繰り返されているとして、改善指示を出したと発表した。運輸局は「安全確保の取り組みが適切に進ちょくしているとは言い難い」とし、トラブルの原因究明や改善策について、1か月以内に報告するよう求めている。

JR北海道では昨年11月9日、函館線砂川駅で、社内規定で義務付けられている見張りの人員を置かずにレール設備工事をし、接近してきた貨物列車から警笛を鳴らされるトラブルが発生。列車は緊急停止した。このトラブルについて、作業責任者は「安全対策をしていたが、工具を取りに線路内に立ち入り、列車を止めた」などと虚偽の報告を上司に行い、上司も、適切な保安体制で作業を行っていたとの虚偽の内容の報告を岩見沢保線所に行っていた。

同局は「こうした虚偽報告は、輸送の安全確保の仕組みを根底から覆す行為であり、到底容認できるものではない」として鉄道事業法に基づく保安監査を実施。その結果、他にも安全にかかわる不適切な行為が繰り返されていることが分かった。

同局によると同トラブルの1週間後に発生した函館線の森-石倉間で起きた貨物列車の脱線事故では、函館支社輸送指令が、事故直後に安全確認を十分に実施しないまま、事故現場で停止していた対向列車に運転再開を指示。そのまま現場付近を通過させていた。

ほかにも、作業が終了していないにもかかわらず、線路閉鎖責任者が線路閉鎖工事の終了通告を行った事案や、輸送指令との作業開始の打合せを行わずに除雪作業を開始した事案などが認められ、池田保線管理室では、徒歩巡視の際、線路閉鎖の着手前や終了後に保安体制をとらずに線路内に立ち入ることが常態化していたことも分かった。

こうしたことから、同局は安全対策が確実に実行されていることを確認できる仕組みを構築するなど管理体制を見直し、安全意識の徹底を図るよう指示。対策の着実な実行を求めた。

今後、改善が見られない場合は鉄道事業法に基づく改善命令を行うとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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