
▲ロジクロス大阪住之江(出所:三菱地所)
拠点・施設三菱地所(東京都千代田区)は8日、大阪市住之江区で開発を進めていた物流施設「ロジクロス大阪住之江」が、3月31日に完成したと発表した。同社として初めてのマルチテナント型冷凍冷蔵物流施設。現時点で募集3区画のうち1区画が契約済みだ。
同施設は、鉄筋コンクリート造一部鉄骨造の地上4階建て、延床面積は4万3400平方メートル。倉庫部分は、汎用性の高い床荷重1平方メートルあたり1.5トン、梁下有効高5.5メートルを確保。標準的な柱間隔を11.3メートル×10.25メートルとし、自由度の高いレイアウト設計を可能にした。一部区画では、プラス10度からマイナス25度の範囲で温度設定が可能な可変温度帯を採用し、多様な保管ニーズに対応する。
BCP(事業継続計画)対策も強化。1階倉庫部分の一部では、冷却設備を含む主要設備に対して24時間対応可能なバックアップ電源を確保した。加えて、倉庫の各室には2系統以上の冷却設備を設置。これにより、万が一の停電時や一方の系統が故障した場合でも、倉庫内の温度維持と運用継続を支援する。
休憩室には、ロジクロスブランド共通の「オアシス」コンセプトを導入。冷凍冷蔵施設であることを考慮し、木目調のデザインなどで「より温もりのある空間」を演出し、働く人の癒やしやモチベーション向上につなげる。
▲左:BCP対策に優れた冷凍冷蔵施設、右:休憩室
立地は、阪神高速15号堺線・玉出インターチェンジ(IC)から2.2キロ、同4号湾岸線・南港中ICから3.4キロと、高速道路へのアクセスに優れる。大阪市内配送や兵庫方面への広域配送拠点としての機能を担う。大阪メトロ四つ橋線・北加賀屋駅から徒歩15分、バス停からも徒歩5分と、従業員の通勤利便性も高く、雇用確保にも有利だ。
開発の背景には、EC(電子商取引)市場拡大などに伴う冷凍冷蔵食品の保管ニーズ増加がある。三菱地所は、建築費高騰などで自社開発が難しくなっている企業のニーズに応え、初期投資を抑えられる賃貸型施設を供給。フロン規制(2030年問題)への対応として、冷却設備には自然冷媒を採用した。屋上には太陽光発電設備を設置し、発電電力は自家消費に充てる。これらの取り組みにより、CASBEE建築評価認証「Aランク」、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の最高ランク「ZEB」認証を取得した。
三菱地所は今後も、大阪エリアで冷凍冷蔵物流施設「ロジクロス大阪大正」「ロジクロス大阪大正II」の開発を進め、冷凍冷蔵物流の効率化・最適化に貢献していくという。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com