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タイガー社長が明かす、コンプライアンスと生産性向上の秘訣

現場の声から生まれたPro5、業務効率化の鍵

2025年5月12日 (月)

話題物流業界は今、大きな変革の波に直面している。2024年問題に端を発するドライバーの労働時間規制強化、深刻化する人手不足、そして燃料費や人件費の高騰。さらに、ことし4月1日からは改正貨物自動車運送事業法が施行され、「実運送体制管理簿」の作成・保存が義務化されるなど、運送事業者にはコンプライアンス順守と経営効率化の両立が、かつてないレベルで求められている。

このような激動の時代において、運送事業者は日々の業務に追われるだけでなく、変化に対応し、未来を見据えた経営戦略を描く必要に迫られている。しかし、多岐にわたる課題にどう立ち向かえばよいのか、多くの経営者が頭を悩ませているのではないだろうか。

タイガーの茂岡賢明社長

1940年に創業、75年から半世紀にわたり運輸・物流業界向けシステムの開発・販売を手がけ、業界の発展を支え続けてきたタイガー(東京都千代田区)の茂岡賢明社長は、現状についてこう語る。

「一番の課題は、やはり人手不足。乗務員さんだけでなく、事務員さん、運行管理者も含めて不足している。特に中小の運送会社では、この問題は深刻だ。求人など直接的な支援は難しいが、いかに少ない人数でも効率的に業務を回せるかが重要だと考えている」

人手不足は、中小運送会社にとって最も深刻な経営課題の一つだ。少ない人数で、増え続ける業務と厳格化する法規制に対応していかなければならない。この課題に対し、タイガーは「物流のソリューションエキスパート」「物流業界の総合支援企業」を理念に掲げ、単なるソフトウエア開発・販売にとどまらず、顧客企業の課題解決に真摯(しんし)に向き合い、最適なソリューションを提供してきた。

▲トラックメイトPro5が備える9つの基本機能(クリックで拡大)

そのタイガーが、トラック運送業者向け総合管理システムの代名詞ともいえる「トラックメイト」シリーズの最新版として、この25年3月、満を持してリリースしたのが「トラックメイトPro5」である。これは、まさに時代の要請に応えるべく開発された、新時代の物流DX(デジタルトランスフォーメーション)をけん引する羅針盤ともいえるシステムだ。

40年の歴史と対話が生んだ「トラックメイトProシリーズ」の集大成

トラックメイトシリーズの歴史は古い。茂岡社長によると、「元々はオフコン(オフィスコンピューター)の請求システムとして昭和50年頃にリリースされた。当時は中小企業向けのシステムとして開発され、運送業の法律やパソコンの進化に対応しながら、シリーズとして発展してきた」。実に40年以上にわたり、中小運送会社の業務効率化と法規制対応を支援し続けてきた。

そして、約20年前に登場したのが「トラックメイトPro」シリーズだ。トラックメイトPro5はその最新版であり、これまでの集大成と位置付けられている。ただし、茂岡社長は「これはトラックメイト全体の最終形ではなく、あくまで『Proシリーズ』の最後のバージョンという意味。トラックメイトというブランド名は今後も続いていく」と補足する。Proシリーズで培ったノウハウを基盤に、今後は外部システムとの連携をより重視した次世代バージョンの開発も進めているという。

「Proシリーズは20年以上前に開発された環境をベースにしており、最新の状況に対応しづらくなっている面があった。そのため、新しい外部システムとの連携を重視した次期バージョンを開発中だ。今回リリースしたPro5は、前述の環境をベースにしたシステムの集大成という位置付けになる」


(クリックで拡大)

法改正に完全対応、「実運送体制管理簿」も簡単作成

トラックメイトPro5の最大の特徴の一つは、改正貨物自動車運送事業法への対応だ。特に、多くの事業者が対応に迫られている実運送体制管理簿の作成機能を標準搭載している点は注目に値する。「実運送体制管理簿への対応は、法改正対応の一環だ。元請け事業者から下請け事業者の情報を登録・報告する必要性が生じたため、トラックメイトの機能として追加した」

▲実運送体制管理簿の作成機能(法改正対応)(クリックで拡大)

実運送体制管理簿とは、荷主から運送を委託された元請け事業者が、実際に運送を行った協力会社(実運送事業者)の情報を記録・管理するための帳簿だ。トラックメイトPro5では、日々の運転日報入力画面などから簡単に入力・登録でき、過去の履歴も確実に保存・管理される。「元請けから荷主への報告に必要な情報を、トラックメイト上で管理できるようになった。これにより、運送会社は報告業務を効率化し、法令順守をより確実に実現できる」と茂岡社長はメリットを語る。法施行直後で戸惑う事業者にとって、システム上で簡単かつ正確に対応できる意義は大きい。

請求・経費・収支管理を一元化、経営の「見える化」を実現

トラックメイトPro5の導入メリットは、法改正対応だけにとどまらない。運送業務における基幹業務である「請求管理」「経費管理」「収支管理」を一つのシステムで完結できる点も大きな強みだ。

運転日報や運賃、経費を一つの画面で入力することで、請求書作成から傭車先への支払い管理、車両ごとの経費入力、さらには得意先別・車両別の収支分析まで、一気通貫で処理が可能となる。インボイス制度に対応した請求書発行や複雑な運賃計算の自動化はもちろん、売上と経費データを基にした収支状況を月次で把握・分析することも容易だ。これにより、請求業務の大幅な効率化と計算ミス削減、そして経営判断に必要な情報の迅速な把握、「見える化」を実現する。

中小運送会社にとって、請求業務の効率化は導入の大きな動機となることが多い。「『これまでエクセルで請求書を作っていた』という会社からの問い合わせが多い。入り口は請求かもしれないが、そこから傭車管理、乗務員管理、車両収支管理へと機能を広げていくパターンがよく見られる」と茂岡社長は言う。

クラウドの強み生かした法改正対応とBCP対策

タイガーは、いち早くクラウド版のトラックメイトを提供してきたパイオニアでもある。クラウド版のメリットについて、茂岡社長は次のように語る。「法改正のたびにシステムを買い替える必要がないこと。クラウド版は自動でアップデートされるため、ユーザーは常に最新のシステムを利用でき、業務を中断することなく法規制に対応できる」

これは、頻繁な法改正や制度変更に迅速に対応しなければならない運送事業者にとって、大きな安心材料だ。さらに、データがデータセンターに保管されているため、災害時の事業継続性(BCP)においても強みを発揮する。「万が一事務所が被災しても業務を継続できる。事業継続性の観点からも、クラウドは大きな強みだ」

デジタコ・配車システムとの連携でさらなる業務効率化へ

トラックメイトPro5は、外部システムとの連携機能も充実している。デジタコと連携すれば、走行距離や時間などの実績データが自動入力され、日報作成の手間と入力ミスを削減できる。また、デジタコデータは簡易労務管理オプションにも活用でき、改善基準告示を順守した労務管理体制の構築をサポートする。さらに、同社の受注配車システム「トラックメイト配車Pro」と連携すれば、配車から請求、実績管理まで一連の業務フローをシームレスにつなぎ、さらなる効率化が実現可能だ。

デジタコ・配車連携で業務効率化を支援(クリックで拡大)

「人手不足が深刻化するなかで、業務効率化は中小運送会社にとって重要な課題となっている。システム連携によって、その解決に貢献したいと考えている」と茂岡社長は、連携強化の意義を語る。

物流のソリューションエキスパート」として、ユーザーと共に歩む

タイガーの強みは、高機能なソフトウエアを提供するだけではない。物流のソリューションエキスパートという理念に基づき、顧客一人一人の課題に寄り添い、最適な解決策を提案・実行する姿勢にある。「自社製品だけでなく、他社の優れた製品も組み合わせて、お客様にとって最適なソリューションを提供することを目指している。お客様の課題を解決するために、最適なデジタルパートナーとしての役割を担っていきたい」

その姿勢は、製品開発にも表れている。「たとえ何百社のうち数社しか使っていない機能であっても、それをなくすと困るという声があれば、安易に切り捨てることはできない」と語るように、ユーザーとの対話を重視し、現場の声を製品に反映させ続けてきたからこそ、トラックメイトは長年にわたり支持されている。また、導入前のコンサルティングから、導入後の保守サポートまで、全国6拠点のネットワークを生かした手厚いサポート体制も、顧客から高い評価を得ている理由の一つだ。

「物流システムの総合商社」として、ワンストップで提供

タイガーは、自社開発のパッケージソフトウエアに加え、システム運用に必要なコンピューターや周辺機器、他社製ソフトウエアの販売も行っている。まさに物流システムの総合商社として、ハードウエアからソフトウエア、導入支援、保守まで、物流システムに関わるあらゆるニーズにワンストップで応えることができるのだ。「運送会社に必要なソリューションは、ソフトもハードも含めて、PCに絡むものは基本的に全て取り扱っている。デジタコ、ドラレコ、配車管理、アルコール検知器、動態管理、勤怠管理、各種システム連携など、多くのベンダーと取引がある」

この総合力は、システム導入を検討する企業にとって大きな安心材料となる。システム構成の検討から機器の選定、導入、運用まで、窓口一つで相談できる。長年の経験とネットワークで培われた目利き力と信頼関係が、タイガーの大きな強みとなっている。

未来を見据えて、物流業界と共に進化し続ける

最後に、茂岡社長は運送会社へのメッセージとして「運賃交渉の重要性」を挙げた。「荷主に対してきちんと運賃交渉をしているか?元請けがそもそも荷主に交渉していないケースも少なくない。厳しい状況だからこそ、適正な運賃交渉をしてほしい。そのための請求システムでもある」と、適正な対価を得ることの重要性を訴える。

そして、今後のタイガーの役割について、こう語った。「これからは、ほかのシステムといかにスムーズに連携できるシステムを作れるかが重要になる。今のトラックメイトProの機能を踏襲しつつ、他社システムとの連携に重きを置いた開発を進めている。また、次の世代、今の考え方を持った若い方々にもトラックメイトが魅力的に映るよう、UIの改善なども含めて進化させていきたいと考えている」

法改正への対応、業務効率化、経営改善、そして未来への投資。運送事業者が抱える課題は複雑かつ多岐にわたる。しかし、トラックメイトPro5は、これらの課題解決に向けた強力な武器となるはずだ。そして、「物流のソリューションエキスパート」「物流システムの総合商社」であるタイガーという頼れるパートナーを得ることで、企業は変化を乗りこなし、持続的な成長を実現するための確かな一歩を踏み出すことができるだろう。

実運送体制管理簿への対応はもちろん、その先の経営強化を見据えるすべての運送事業者に、トラックメイトPro5、そしてタイガーのソリューションをお勧めしたい。

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