調査・データBlackBerry Japan(ブラックベリー・ジャパン、東京都港区)は4日、ブラックベリー(カナダ)の事業部門であるQNXが、日本を含む世界各国の医療、製造、自動車、重機産業のロボットの導入に関する調査結果を公開したと発表した。調査は、医療/医療機器、製造、自動車、重機産業におけるロボティクスに関する意思決定者(経営幹部)1000人(うち日本から100人)を対象に実施した。
現在、ロボットを利用している日本企業の割合は41%(グローバル平均50%)、今後導入の予定がある企業は24%(同平均47%)であり、グローバルと比較して日本企業はいずれも低い結果となった。また、ロボット利用が最も進んでいる用途は自動化54%(平均50%)、生産51%(平均46%)、サポート32%(平均36%)、高リスク業務27%(平均28%)だった。
またロボットの導入率を業界別に見ると、日本の製造業が79%(平均71%)、自動車業界74%(平均65%)が世界的に高い導入率を示す一方、日本の物流業界は16%(グローバル平均48%)と低水準にとどまった。
日本におけるロボット導入に「大きく影響を与える要因」として、既にロボットを導入している日本企業の54%が「労働力不足」と回答した。他の大きな要因として日本の企業から挙げられたのは「安全性の向上」が49%(平均44%)、「労働力の規模拡大と柔軟性の向上」44%(平均39%)、「技術の進歩」41%(平均51%)だった。
日本における導入の最大の障壁は「初期コストの高さ」(日本68%、グローバル平均47%)となっており、突出した結果となった。さらに「メンテナンスとダウンタイム」が32%、「既存システムとの統合」32%と、中長期的なコストを含む総合的な経済的負担がロボット導入における大きな課題であることがわかった。
「ロボット運用の準備ができている」と回答した日本企業は42%(グローバル平均69%)と調査対象の国々の中で最も低い数値となり、特に94%が準備できていると回答した中国とは2倍以上の差となった。この準備に関連していると考えられるのが「トレーニングとスキル開発に関する課題」であり、問題解決、監視、最適化など、ロボットとの連携方法に関する詳細な役割別トレーニングなどの高度なトレーニングプログラムを提供している日本の企業はわずか7%(グローバル平均27%、中国52%)だった。
「ロボットを完全に信頼している」と回答した日本企業の割合は10%(グローバル平均13%)、「全く信頼していない」は23%(同平均8%)だった。また「信頼している(完全に/高/中程度)」とした回答の合計も63%(平均77%)と、グローバルと比較して低い割合にとどまった。また「ロボットと共同作業することに抵抗が無い」と感じる割合は日本が65%に対し、グローバル平均70%、中国89%となり、比較すると低水準だった。
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