環境・CSR廃棄物マネジメント事業を手掛けるサティスファクトリー(東京都中央区)は11日、FRP資源物流のスキーム構築と運用に向けた取り組みを展開することを発表した。これは、FRP(繊維強化プラスチック)製品メーカーの天龍コンポジット(岐阜県川辺町)が、ケミカルリサイクル「電炉CCS法」を使い、従来リサイクルが困難だとされていた製造端材の再資源化に成功したことを受けたもの。
天龍コンポジットは廃棄物を鉄粉とあわせて破砕、圧縮成型して、製鉄工程で鉄の硬度を高めるために使用される加炭材へ再資源化。今年2月の運用開始から4か月で、合計1トンを超える処理実績を達成した。サティスファクトリーが資源物流のスキーム構築と運用を担う。
FRPは軽量で高強度、耐腐食性に優れていることから、金属の代替素材として需要が拡大している。しかし、熱硬化性樹脂を用いているため再加熱による溶解や分解が困難なうえ、他素材との複合使用も多く、不用になると多くが埋め立て処分されている。近年では埋め立て地の逼迫や処分費用の上昇、環境配慮への要求が高まる中、FRP廃棄物の再資源化に向けた取り組みが求められるようになってきた。
このため、天龍コンポジットは製造過程で発生するFRP端材を炭素固定素材として評価し、製鋼工程に再利用する方法の確立に取り組んだ。具体的には、FRPを紙や木、鉄粉などと合わせて破砕して圧縮、加炭材として成型する。加炭材は、石油由来のコークスの代わりとして電炉メーカーに供給され、鉄スクラップとともに製鉄に使われる。
これによって、FRP製品を製造する際に排出される端材の量を減らし、CO2の排出量も削減する。
再資源化は今年2月から開始し、1か月に2000キログラム以上の端材を処理している。4月には1か月の処理量が5400キログラムとなり、4か月間で1万2500キログラムを再資源化した。
同社は「これまでFRPは埋め立て処分しかないと思っていたが、今回の取り組みでリサイクルの道が開けた」としている。
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