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プロロジス、千葉物流施設敷地内に系統用蓄電池設置

2025年6月11日 (水)

拠点・施設プロロジスは11日、自社が千葉市で運営する賃貸用物流施設「プロロジスパーク千葉1」の敷地内に系統用蓄電池を設置し、各電力市場へ参入すると発表した。設置工事は12月より始め、工事完了後は2026年4月から容量市場・卸電力市場・需給調整市場で蓄電池の運用を開始する。稼働中の物流施設敷地内で系統用蓄電池を設置するのは、国内不動産事業者では初の事例だ。

導入予定の系統用蓄電池は出力が2メガワット、蓄電容量が6メガワット時。敷地内駐車場の未利用スペース23台分を活用して設置する。運用開始後、同社は電力市場から電力を購入し、各市場の状況に応じて電力を供出する仕組みにする。設置場所や出力、容量など具体的な数字を全て明示する。施設ごとの稼働状況や需要、供給バランスに着目する形で電力を運用するとしている。

需給調整市場は21年に創設し、24年4月から全面開場となった。リアルタイムで需給バランスを調整し、大規模停電などのリスク軽減や価格高騰への対応が目的となる。再生可能エネルギーの普及により発電量の変動幅が大きくなり、需給調整の必要性が年々増している。だが、大型蓄電池の活用やレジリエンス強化の動きは依然として発展段階。エネルギー事業者以外での参入例も限定的となっている。

参入障壁として、初期投資額の大きさや運用までの煩雑な手続き、事業用地確保から運営開始までに要する時間、需給調整市場の未成熟からくる長期的な価格変動リスクや先行きの不透明性が挙がる。同社は社会的意義と将来的な需要の高さ、過去のエネルギー事業から得たノウハウ、遊休地活用によるリスク低減を根拠とし、今回の事業投資を決定した。「再エネ拡大推進と電力システムの安定化に寄与する」と強調する。

また、同社は屋根面に設置した太陽光発電パネルにより75メガワット(25年5月時点)を発電し、非化石証書を活用することで、入居カスタマー等の電力グリーン化を推進している。物流施設での余剰電力について、自己託送やPPA、データセンターへの給電など多様な電力利用方法にも取り組んできた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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